生活クラブグループ 第2回福祉事業交流会
生活クラブ運動とコミュニティケア
〜生き生き暮らせるまちづくり〜
−講演録−
日時 2003年4月13日(日)
場所 東京ウィメンズプラザ
生 活 ク ラ ブ 運 動 と コ ミ ュ ニ テ ィ ケ ア
〜 生 き 生 き 暮 ら せ る ま ち づ く り 〜
◆開会宣言
○司会(松浦) 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまより「生活クラブ運動グループ福祉事業交流会」を開催いたします。私は本日の司会を担当させていただきます、東京の生活クラブ運動グループ福祉協議会の松浦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
きょうは市長選の投票日で、投票を済ませてからここにいらしてくださった方も多いかと思います。私たちは生活クラブの運動グループで活動してきたわけですが、それぞれの運動を見直す機会が事業に追われてなかなか持てませんでした。きょうは生活クラブの各単協からスタートしたグループが、それぞれどういう道筋をたどり、今どういう活動をしているのか点検しながら、もう一度私たちの運動を再確認できるような、そういう1日にしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に主催者を代表しまして、実行委員長の井上のほうからご挨拶させていただきます。
◆主催者挨拶
○井上(実行委員長) こんにちは。実行委員長を仰せつかっております井上と申します。
生活クラブ生協は、批判するだけでなく、提案し、責任をとる運動ということで、生活クラブ生協の名前を使って活動している私たちも、福祉事業をするにあたって責任をとる提案型の運動をしていきたいと考え、活動しています。
本日は、そういうグループで一度交流したいねということで計画しました。一昨年の秋に一度、東京の連合の事務所で交流を持ちましたが、今回はそれをもう少し広げて、厚生省の北波さんをお招きしてお話を伺い、また皆さんよくご存じの石毛先生にもお越しいただきまして、自分たちの生協のあり方だけでなく、社会的に運動を考える機会にできればと思っております。それぞれがどんな道筋をたどって今奮闘中か、というようなことも伺い、そしてそれぞれの運動が一層広がっていければという思いでおります。
当日資料の後ろのほうを見ていただくと、これは事務局の方に大変な苦労をしてまとめていただいたものですが、介護保険だけでなく、子育て、給食、その他いろいろな地域福祉の事業をすべて入れますと、全体で65億、お世話をしているケアワーカーの数が1万7,000 人、利用者の方が1万9,000 人ということで、非常に大きな運動になっていることがわかります。
それでは、ご挨拶はこれまでにして、各グループから中身の濃いご報告をいただく前に、厚生省の北波さんのほうから、今、介護保険制度はどんなところにあるのかという現状等についてお話をいただきたいと思います。北波さん、よろしくお願いいたします。
◆厚生労働省報告
「介護保険改定にかかわる考え方について」
厚生労働省老健局総務課 課長補佐 北波 孝
皆さん、こんにちは。厚生労働省の老健局総務課というところで課長補佐をやっております北波と申します。きょうは井上事務局長のお誘いもあり、また石毛先生からのご紹介もあって参加させていただきました。資料を拝見しますと、皆さま方は介護のみならず、保育その他、地域生活全般にわたって活動なさっておられて、そのような活動をされている方々とお会いできるのもなかなかない機会かなと思い喜んでおります。
きょうは若干時間をいただきまして、介護保険の現状、それから今後どうしていくのか、ということについて少しお話をさせていただきたいと思っております。お手元の資料ですが、本当はパワーポイントでやればよかったのですが、若干、真っ黒になっている部分もあります。そこは補足しながらご説明したいと考えております。
まず1ページを見ていただければと思います。介護保険制度は平成12年4月に始まりまして、ようやく4年目になります。ご承知のとおり、平成12〜14年というのは、第1期事業計画プランということで、全国的な保険料の水準としては1カ月当たり2,911 円くらいでした。
第1期は平成14年で終わり、15〜17年は第2期ということになります。それぞれの市町村においては、昨年度、第2期の事業計画をつくるために、実態調査をしたり、これからの介護保険もしくは介護保険を中心とした高齢者保健福祉施策をどのように展開していくのかということについて、介護保険ができたあとの介護もしくは保健福祉の流れを見ながらつくられたと思います。私どもも、これで介護保険制度が3年、ワンクール終わった、次のクールでどういうことをしていくか、というところを今考えているところでございます。
ご承知のとおり、昨年度は、この3年間の事業の推移を見て介護報酬の見直しをさせていただき、この4月から変わった単価で事業をしていただいているところであります。
第1期、平成12〜14年というのは、介護保険制度というものをきちんと動かしていくことが大きな目的でした。ただ、制度としてはなんとか動いている状況ではあるのですが、その制度で動いている介護サービスの質、もしくは介護自体、あるいは高齢者の生活はどうなっているのかというところまでは、まだまだ手が回っていない状況ではなかったかと思います。
私たちのほうでも、質の向上ということで、例えばケアマネジメントリーダーというような仕組みをつくってみたり、グループホームにおいては、昨年から義務化いたしましたが、第三者評価を受けていただく仕組みにしたり、そういう形でなんとか質の向上を図っていきたい、そのために国としてできることは何だろうということでやってきました。そこらへんのところは今まだ緒についたばかり、というところかと思います。
ただ、制度としては順調にいっているものが一つあります。ペーパーの2番、 2「介護保険の施行状況」というところを見ていただきますと、被保険者の数が、この2年半で9%増えています。昨年の末までで比べますと10%ちょっと高齢者の数は増えている。それに比べて、要介護認定を受けた人の数というのは52%も増えています。つまり200 万人ベースだったのが300 万人という状況になっているわけです。
3番のところをごらんいただきますと、利用者の数も増えておりまして、居宅・施設ともに76%の増加という状況になっています。総費用のところは数字がちょっと出ておりませんが、2000年度というのは最初の年ですから11カ月分になりますが、3.6 兆円、それが次の年は4.8 兆円。だんだん増えてきまして、2002年度は5.1 兆円、そして今年度の予算で言いますと5.4 兆円という状況にあります。
状況を見ますと、要支援と要介護1という人の数が増えています。これは、一つには、制度自体が普及してきたこともありますし、おそらく皆さまのご努力の結果かもしれませんが、いわゆる介護というものについての認識が変わってきたのではないかと思います。介護保険が始まる前と後で比べますと、街を歩いていても、いわゆるホームヘルプサービスの事業者の車であったり、いろいろな介護という文言が自然に目に入る状況になってきました。
2ページをごらんいただきますと、「サービスの利用状況」が書いてございます。 5をごらんいただきますと、在宅サービスを利用されている方が大体7割、施設サービスを利用されている方が大体3割、ほぼ7対3の状況です。介護保険が始まったころは、この比率は大体6対4でした。それが7対3になった一つには、在宅サービスを利用されている方の伸びが、この3年で97万人から188 万人と約2倍に増えていますので、在宅サービスを中心に利用者が伸びていることがわかります。
おそらく一番特徴的な事象は、皆さまもお感じになられているかもしれませんが、いわゆる費用負担の構造の違いです。介護保険制度が始まる前は、低所得の方につきましては基本的に利用しても無料であったり、低額であったり、という状況であったと思います。 介護保険が始まりましてからは、基本的に1割負担です。要するに高所得の方であっても、中堅所得の方であっても、低所得の方であっても1割負担ということで、利用者のすそ野、もしくはその幅が非常に広がってきています。一方では、それとともにサービスの質に対する利用者からの意見、サービスの質に対する利用者の考え方というものがダイレクトに事業者さんに伝わるような状況になっているのではないかと思います。
こういうことで第1期を進めてきたわけですが、8番をごらんいただきたいと思います。真っ黒になっていて申し訳ございません。本来であればバックが黄色で数字が青色で出ていたと思いますが、左側が第1期の保険料で2,911 円、これは全国平均です。それが3年たって、この4月からどのくらいになるかというと、まだ全部集計しているわけではございませんで、昨年の6月に調査をした結果ですが、大体3、241 円という数字になっています。330 円くらい上がるという状況です。
では、これから先どういうふうになっていくかですが、第3期は平成18年から、第4期は平成21年からですが、だんだんと上がっていくだろうと思います。ただ、高齢者の方がいくらくらいまでだったら出してくれるか、というところが私たちの非常に気になる部分です。また、先ほども言いましたが、予算額についても、または介護保険の給付総額というものについても、スタート直後は4兆円くらいだったのが、5.4 兆円という見込みを立てているということで、どんどん広がってきています。
そういうなかで、一つにはサービスの質を上げ、高齢者の継続した地域での生活をどうやって可能にしていくかという問題もありますが、もう一つ私たちが考えなければならないのは、この制度の安定性です。要するに「介護保険制度は質はよかったけれどな」というふうに過去形で語られる状況になってはまずいので、やはり財政としてうまく動くような形、これを一方では考えていかなくてはならないと思っています。これについては後ほど「事業の適正化」というところで少し触れます。
では、事業者のほうはどういう状況になっているのかというのが9番、10番です。介護保険制度が始まる前は、行政が事業者に委託をして、行政がやることをやってもらっていたという状況でしたが、介護保険制度が始まりまして、事業者の数が非常に増えました。左側が実数、右側が伸び率のパーセンテージです。
訪問介護で言いますと、生協系につきましては61%の伸び、営利法人も56%の伸びです。土台の数が違いますが、社会福祉法人や医療法人という、従前の福祉のところの伸びを超える伸びで、生協を含めて民間とあえて申し上げますけれども、民間の伸びが顕著です。
サービスの内容も、今までであれば行政が委託をして提供していましたので、行政が決めたメニューで実行するという形でした。介護保険制度になって、サービスの類型は皆さんそれぞれに指定をとって提供がなされるわけですが、その内容については、事業者と利用者のあいだで決めていくというか、利用者の意向を踏まえて事業者として工夫をされるという状況になっています。
そういうなかで、私たちもこのごろ注目をしております小規模・多機能地域拠点であったり、またグループホームにおける痴呆性介護の先進的な取り組みというものも自由に生まれてきているのではないかと思います。一方で、介護タクシーとか、有料老人ホームのえせ居宅と呼ばれるような事例も散見されるわけですが、そこらへんは両面あるのかなと思っております。いずれにしましても、事業者の皆さまのほうでも工夫というものが非常に盛んになってきている。私たちは、そのなかでいいものを伸ばしていくためにはどうしたらいいか、ということを考えなければならないと思っております。
12番に「指定取消件数」とあります。これは、昨年の10月段階では55だったのが、今は100 を超えております。ただ、地域で若干差があります。これは県の取り組み次第というところもあると思います。また事業者の数というところもあるかもしれません。関東はまんべんなく取消事例をお持ちですが(笑)、四国から九州に行きますと、取消事例があるところとないところで分かれます。実は私は、昨年度、福岡県で仕事をしていたのですが、九州には取消事例ゼロという県が何県かあります。ただ、そこの県にはいい事業者だけしかいないとは思えない。つまり県がきちんと見ているところと見ていないところで差が出ているのかな、というふうにも思います。
ですから、京都が突出して多いですが、京都は厳しいのかどうか。私は京都出身なので、京都が多いというのはうなずけるところもあるのですが(笑)、悪い事業者を取り消すということは、いい事業者が活動できる環境をつくっていくことなのだと捉えることもできます。行政もべつに懲罰的にやっているのではありません。なるべくいい事業者さんが悪い事業者に引っ張られないようにという、そういう考え方があるということをご承知おきいただければと思います。
4ページ「ケアマネジメントの現状」です。こういうのは何回も見ておられると思いますから言わずもがなですが、真っ黒になっている部分だけ解説します。13番のところに49%と書いてありますが、これは1種類ケアプランです。大体半数がいわゆる単品ケアプランという状況になっています。26.9%が2種類、12.4%が3種類、5.0 %が4種類、2.5 %が5種類のサービスを組み入れたケアプラン。4.3 %が無回答の数字です。
14番は要介護別に見た数ですが、基本的には要介護度が多くなるにつれて、サービスの種類も増えているという現状です。
15番は「ケアマネジメントの現状(2)」ということで、27.5 %というのは訪問です。やはりケアマネジメントの基本は、要介護者のお宅に行っていただく訪問が基本ではないかということで、これは今回の介護方針の改正・見直しのなかにも採り入れられています。また来所が3.8 %、電話が10.9%、そして0.6 %がケアカンファレンスです。本当はケアカンファレンスというのは非常に重要なのですが、今でもお困りのところがあろうかと思いますが、どうやってアレンジしていくかというところで、だいぶハードルが高いというのもあろうかと思います。そしてプラン作成が17.7%、事業所内の報告事務が8.5 %、請求事務が14.0%、その他が17.0%という状況になっています。
16番は「福祉用具貸与費の利用種目割合」で、これはなぜ出しているかというと、どういう対応でケアプランに入れられているか、もう一回問い直す必要があるのではないか、ということです。
私たちもきちんと打ち出していかなくてはならないと思っているのは、この高齢者の介護を支える介護保険という制度は「在宅重視」で「自立支援」であるということです。よくありますのは、ケアプランのところで最初に「介護慣れするために」と言って、要支援のところに家事援助を入れてみたり、「とりあえず福祉用具から始めましょう」というのがあります。「とりあえず」というのは本当はよくないんですね。介護慣れをしてしまうと介護づけになってしまいます。ここらへんの認識をもう一回考えていただく必要があるのではないかということです。
要支援のところで特殊寝台というのが非常に大きい割合で入っています。左側の真っ黒の部分が車椅子、その次の白く大きくあるところが特殊寝台です。要支援の方に特殊寝台というのはどういう目的で使うのか。目的がはっきりしていないと貸与症候群になってしまう可能性もあるのではないか。ケアマネジャーの方はきちんと福祉用具の貸与事業規定の点検をする必要があるのではないかと思います。
そういうところもありますけれども、基本的には私たちとしてはケアマネジャーさんを中心に介護保険というのを回していきたい、質の向上をしていただきたい、というふうに考えております。
17番「適正化の取り組み」です。給付費も上がってきています。またサービスの質に対してもいろいろな意見が聞かれるということで、私たちとしても、介護給付・サービスの質の適正化のためにいろいろなメニューを考えようということで、この2月に老健局のなかに本部を立ち上げました。今後、全国にメニュー例を示して、各保険者でいろいろとやっていただこうと思っております。
18番のところですけれども、保険者のほうでもまず現状を把握していただく。それから介護保険以前の話として、「介護予防」というものにも取り組んでいただく。そういうことを考えているということです。
この18番のところで一つ、「サービス提供」というところがあって、そこに「過剰な提供などの検証、事業者団体での自己評価、外部評価の推進等」と書いてあります。実は外部評価というものについては、これから重要なキーになってくる事業だろうと思っております。まずはグループホームについて外部評価の義務づけをしました。人手も足りないということで、これから何年間かかけて全部やり、それからは毎年1回という形にしようと思っていますが、ほかの事業においても当然必要になってくるだろうと。
ただ、ここも誰が役割を担うかということが一つあって、行政が第三者評価をするのか、またはNPOや、いろいろな市民団体が多重的な観点から第三者評価をされていくのがいいのか、そこらへんがございます。ただ、私たちとしては、一つはNPOのお力というものを借りていきたいと思っております。
19番は「事業者団体に望まれること」です。これはあまり関係がないのかもしれませんが、一つはいろいろな事業者団体で、ワーカーズコレクティブも同じだと思いますが、自己評価をするにあたっては誰が推進するのか、自己評価なくして第三者評価はないということです。実は行政も自己評価基準を決めることはやっているのですが、やはり現場で介護サービスを提供されている方自身がまずは自分たちの評価基準をつくる。これが一番現場の感覚に合っていくのだろうと思います。そして自己評価をされたら、外に出していくことが必要だろうと思っています。そういうことも第1期の課題として、第2期に積み残している部分です。
私たちは今回、制度見直しの前にやるべきこととして、「介護報酬の見直し」というものをやりました。介護報酬の見直しについては、20番に趣旨が書いてありますが、在宅の重視、サービスの質の評価、そして痴呆対策等で、重点化すべきところは重点化していくということです。
6ページの21番「介護報酬の改定率」をごらんいただきたいと思います。これにつきましては、「最初の改定で引き下げというのはひどいじゃないか」とよく言われます。ただ、経済・社会の状況を見ますと、物価も賃金も水準が下がっています。そういう状況のなかで事業者の経営実態を見ると、黒字のところもあるし赤字のところもありますが、本来であれば、普通に考えればやはり3.5 %くらいは下がっている。
要するに物価や賃金水準の下落を考えるとこのくらいになるのですが、そこは重点的に評価すべきところを含めていろいろ調整した結果、引下げ幅を全体では2.3 %、在宅は0.1 %としたわけです。「0.1 %しか上がらなかったじゃないか」と言われますが、本来下がるべきところもカバーしているということで、ご理解いただければと思います。
そのなかで個別のところに若干触れさせていただきます。23番ですが、訪問介護の複合型についていろいろなご意見・ご批判があったこともあり、これを単純化して、「身体介護」と「家事援助あるいは生活援助」の二つの類型にしました。
身体介護につきましては、短時間の部分の評価を重点的に上げました。これはなぜかというと、介護保険ができたときというのは、在宅生活を維持するためには24時間巡回型のホームヘルプサービスが必要だろうという形で、要するにピンポイントで訪問介護をしていくものが一つのモデルとして考えられたわけです。
ただ、介護保険が始まって3年間でどうだったかというと、夜間巡回の普及はできていません。基本的には家事援助といいますか、複合型を中心に1日数回、もしくは1回の長時間介護になっている。ほかの時間は介護サービスが入っていないところもあるわけです。そういうこともあって、短時間で頻繁に入っていく形が重要なパターンなので、それを評価していく形で短時間の評価を上げたということです。
「その他」と控えめに書いてありますが、乗車・降車の介助については適切なアセスメントを前提に算定し、また要支援の方については今回は算定外としました。
24番ですが、もう一つ大きなキーワードとして、介護保険には、要介護になっても介護度を上げない、できるだけ介護度を軽減させるという意味合いがございます。その意味から、「リハビリテーション」を重視するようにしました。基本的には通所サービスの基本単位を引き下げたわけです。要するにリハビリテーション加算を充実させ、また訪問リハビリテーションもなかなか進んでいませんので、これも進めるべく加算を入れました。重要なのは、退院して在宅に戻ってこられたときから入っていくようになるので、退院後の期間で評価を割っていくというやり方をしています。
25番は「居宅療養管理」です。これは回数を分割して、ひと月に1回だけでなく、2回行ったら最後には同じくらいの水準になるように設定しています。またグループホームにつきましては夜間体制。これを現場の実態に合わせて評価していくということになります。
26番「施設サービス」については、全体で4.6 %引き下げました。特別養護老人ホームについては、これからはユニットケアを進めていくということで補助金の方式を変えました。そういうなかでユニットの重点評価をし、また居住費部分は一定の自己負担をお願いするとしています。老健もリハビリテーションというところを評価していくことになります。
「ケアマネジメント」につきましては、給付費のパーセンテージではそれほど大きくありませんが、全体の給付費の3.5 %くらいですが、ケアマネジメントについては大きく枠組みを変えております。よくありますのは、4種類以上のサービスを入れたケアプランであれば、100 単位の加算ですよ、と。
私たちも最初は一本化を考えていたのですが、やはりケアマネジメントというものの質を上げていくことが非常に重要だということで、どういう形でそれを評価すればいいかわからないながら、でも何かを出したいということで二つ出したということです。ですから、もっといいケアマネジメントの評価の仕組みが出てきたら、それに振り替えることもあり得るわけです。ただ、とりあえずは4種類以上のケアプランは100 単位と。100 単位のために無理やり4種類以上やると介護づけになってしまう可能性もありますが、そこはケアマネージャーさんのプロの意識というものを信じたいと思います。
そして一定の要件を満たさない場合は3割減と。よく請求事務のところで3割減で請求する欄があることがありますが、私たちがお願いしたのは3割減で請求をしないでほしいと。そうされるくらいであれば訪問をしてくださいというのがメッセージです。
8ページです。「一定の要件」ということで少しケアマネージャーさんの評価をしています。これは本来であれば当然やるべきこと、当たり前のことをもう一回書いただけです。ですから、きちんとされているケアマネージャーさんにとっては、業務が変わるという話ではないと思っています。
将来的にどうなるのかというところが、その次の「介護保険の課題」というところになります。いくつか課題があります。一つは制度の信頼性・安定性を確保していくこと。要するに私たちが高齢になったときにも介護保険制度があるという状態にすることです。私たちが高齢になったときに、「昔は介護保険制度というのがあったな」という状態になってしまってはだめなので、やはり使うほう、使われるほう、それからサービスを提供するほう、みんなが協力して制度を維持していくことが必要だろうと思います。
したがって、保険料の上昇は避けられないにしても、どうやってそれを軟着陸させていくか。制度の見直しのなかにも、被保険者の範囲の話、二十歳問題というのがございます。すぐにできるとは思いませんが、課題としてある。それから給付というものをどう考えるか。また要介護認定のやり方は今のままでいいのか。
今であれば要支援というのは普通にとれてしまうわけです。では要支援で普通にとれてしまうようなものについて、給付をどうすればいいのか。今は要支援も要介護も、給付もメニューも一緒です。要支援はグループホームが使えない、施設サービスが使えないくらいで、ほかの在宅サービスは全部使えます。
ご存じと思いますが、要支援の方というのは給付の名称が違います。「予防給付」です。ですから予防給付のために適切なサービスとは何か。リハビリテーション? でもしようか、と考えたりもするわけですが、そういう給付のあり方も検討していかなくてはならない。それが、介護保険の課題の2番目にあります「所期の目標を達成しているかどうか」というところにつながるかと思います。
もう一つは4番目のところにありますように、「介護保険の施行状況を踏まえた視点」です。この見直しも課題としてあろうかと思います。そういうこともありまして、私どものほうでは、老健局のなかに局長の私的研究会をつくり、一つは2015年に向けて高齢者介護のあるべき姿、ビジョンというものを示そうとしています。
高齢者保健福祉の方針というのは、今は「ゴールドプラン」というものに変えてありますが、ゴールドプランは平成16年度に終わることになっています。それ以降、17年度以降の計画をどう考えるかというところを、一つの課題として検討しなければならない。もう一つは、やはり10年後くらいのビジョンを立てておかないと、今回もし制度見直しをするにしても、そんなに大きな改正はできない可能性があるわけです。ですから、それが将来に向けた介護ビジョンのどこの段階に位置するのか、そういうことをきちんと示す必要があるだろうと思っています。
また2015年というのは、団塊の世代の方たちが高齢者になっていくところです。今までの高齢者とは違う高齢者像を持っている人たちの集団になってくるわけです。そういうこともありますので、一つはそういう形で検討していきたいと思っております。
「検討の視点」というのが23番からずらっと書いてあります。大きなポイントは、やはりこれから先も「介護予防」が中心となるということです。それも与えられた介護予防ではなく、高齢者自身が行なう介護予防というものを考えていってもらうということが一つあります。
これはなぜかというと、今の高齢者の方というのは、これは委員さんの意見でもかなり出ていたのですが、たまたま高齢者になったという方が多いわけです。たまたまと言ったらおかしいですが、要するにこんなに長生きするとは思わなかったという人がだいぶおられる(笑)。
言いたいのは、これから10年後の方というのは、つまり私たちのほとんどが高齢者になると予測できるのであれば、高齢者になる前からそれに備えていく必要があるのではないか。つまり若いときからの健康づくり、生き甲斐づくり、そういうものもきちんと考えていく必要もあるのではないかということです。私たちとしても、高齢期の介護だけを考えるのではなく、それ以前のところから、人生というものをどう考えていくかというものも含めて、デザインが描ければと考えております。
また34番のところをごらんいただきますと、「地域ケアの確立」ということが大きな視点としてございます。一つは在宅サービスです。今は施設サービスという、基本的に措置の時代のサービスメニューを引き継いでいる状況にありますが、在宅と施設をつなぐ、もしくは在宅と施設のあいだにあるような、例えば安心を提供するサービスであったり、地域におけるそういう拠点であったりという、第三のカテゴリーの議論を今しているところでございます。
4の(3) にありますが、生活の継続性をいかに保っていくかが、一つのキーワードになるのではないかというふうに思っています。今までであれば、介護が必要になって介護サービスを利用したら人生のパターンが変わったり、施設に入った瞬間に今までの生活が変わってしまうわけですが、それが果して高齢者の方々の生活にとっていいのだろうか。決していいものとは言えないのではないか、と。
ですから、そのあいだをうまくつないでいける新しいサービスメニューを含めて考えたいと思っています。ここらへんはむしろ皆さん方のお知恵を拝借したほうがいいのではないかとも考えています。今、いろんなところからご意見を聞こうということで、高齢者介護研究会というところがありますが、そういうところでヒアリングをしたりして勉強し、6月くらいには何かとりまとめをしたいと思っています。
35番「利用者の選択」についてです。介護保険制度の趣旨には三つか四つありますが、その大きな一つに「自己選択」というものがあります。自己決定と自己選択を確保することが必要なわけですが、そのためにはどういう情報を誰が提供するのか。第三者評価を含めて、評価結果の公表も含めて、どういう形が一番いいのか。
もう一つ、痴呆性高齢者の問題も大きな柱の一つにしたいと思っています。自己決定を支える仕組みです。平成12年から成年後見制度というものが発足していますが、なかなか利用が進んでいる。では介護保険の制度のほうからは何ができるのか、というところも議論したいと考えております。
できれば、できるだけ早いうちに法律を変える部分については整理し、法律以外の部分でも改善する部分は整理して、そして世に問うというか、そこにお示しして、多くの議論をしたいと思っています。早ければ来年には改正案を出すことができればというふうに思っています。
というのは、18年というのが第3期の市町村の計画が始まるときですので、17年度が市町村が新しい計画をつくる期間になります。ですから次の制度はどうなるのかというのは、16年度に決着をつけておかないと、17年の準備が間に合いません。つまりそこらへんのタイミングで、制度を見直すところは見直す、議論は今から勉強して進めている、ということです。また、現場からもいろいろなご意見を、こんなサービスが足りないとか、いろいろあると思いますので、お知恵を拝借したいと考えております。
入所待機者の問題もあります。介護保険になって申込みが自由になったこともありますが、待機者はなかなか減っていない。その要因の一つは、中期において在宅でどう過ごしていけばいいのかという絵姿を私たちが示してこなかったこともあります。また、何が足りないのかというところもある。24時間のオンコールサービスもきちんと導入されなかった。それは制度的に導入されるような形になっていなかったのではないかというのが、私たちが今持っている問題意識です。そこらへんは、いろいろとお知恵を借りて、制度的にどう対応するのか、これから議論していきたいと思っています。
少し質問の時間もということですので、このへんで私の話を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします(拍手)。
◆Q&A
○司会 ありがとうございました。短い時間のなかで、今の介護保険制度、報酬改定、それから2005年の制度改定に向けた課題まで含めてお話しいただきました。
少しご質問を受けたいと思います。ご質問のある方はお手を挙げて発言していただきたいと思います。いかがでしょうか。せっかくの機会ですから、ぜひどうぞ。
○参加者(今村) 神奈川の生活クラブグループ福祉事業連合事務局の今村といいます。17、18の「適正化の取り組み」について、18番に、予算化されている適正化の取り組み例が出ていますが、ここのところをもう少し詳しく教えてください。不勉強なもので、この予算立てに見合った取り組みというのがよくイメージできないので、教えていただけたらと思います。
○北波 適正化の取り組みですが、平成14年に適正化システムの導入ということで15億円予算がつきました。昨年度は補正です。今年度の予算では70億円という予算規模になっています。
どういうイメージかというと、まず現状の把握というのは、保険者には給付の動向というものを適切に把握していただく。どういうサービスが伸びていて、どういうサービスが伸びていないか。もしくは事業者の動きはどうなのかということを、保険者にきちんと分析してもらうというのが1点です。
それによって、要するに不正な事業者が伸びているとか、またはうちではこれが欠けているということが明らかになるんだろうと。介護報酬というのは電子化されていますので、そこらへんは分析できるはずなのですが、保険者はなかなかやっていない。これをまずやってもらうということ。
ポイントだけ言いますと、一つやりたいのが、認定審査会の機能をもう一回見直したいということです。今の認定審査会は要介護度を打っているだけという状況になっていますので、もうちょっと効率化できるところは効率化する。今回も6カ月更新というのを12カ月前提で結構ですという形で少し延ばしたりしていますが、要するに介護認定審査会というのは、要介護認定の判定をするだけではなくて、その人のアセスメントを書面上でつけて、必要なサービスの指示をするという機能もございます。
そういうものを活用して、例えばケアプランのチェックというものも認定審査会でやれるようにできないかとか、もしくはもうちょっと客観的な立場で、要するにこの人はリハビリが必要であるというような意見を出すとか、そういうことができないかと思っています。
それからケアマネジメントというところについては、今までもケアプラン指導事業ということで、チームをつくってケアプランを指導する事業を市町村がやった場合、補助を出させていました。それを、これは自治体で考えてやっていただくことが原則ですが、ケアプランの評価チームの編成、また介護報酬も額がこの4月に変わりましたので、変わった単価をベースにしてケアプランもしくはサービスの内容がどう変化したかというところも、きちんとチェックしていただこうと思っています。私たちとしても、ケアプランのサービス利用基準案みたいなものを何らかの形で出せればということで、今、作業をしているところです。
もう一つは、事業者によるサービスの質の向上ということで、ここはもう市町村でいろいろな取り組みをやっていただこうと思っています。一番キーになるのは、やはり評価ではないかと思っています。オンブズマン的なところで、サービスの質について評価をしてもらう。こういうところにもこの70億円の一部が助成できるような仕組みにしたいと思っています。
今は、国保中央会に補助を出し、そこから県に流れて、それで市町村に行っています。そのときに、市町村がその事務をどうやって委託するかは基本的に自由にしていますので、例えば地域のオンブズマンの団体がサービスの質も評価するというところまで、このお金が流れることも可能になると思います。
あと給付費の支払いのところですが、これにつきましては支払い方法を見直すことを考えています。今は国保連というところに請求すれば、そのまますぐに支払われる仕組みになっていますが、保険者がもう少しコントロールできないかと。どうもおかしいなと思ったときには支払いを一回止める。止めて調査をしてオーケーが出たら払うという形に、今はできないので、それができるような形にしたいと思っています。
○司会 ありがとうございました。ほかの方でご質問のある方はいらっしゃいますか。
○参加者 今のことに関連してですが、先ほどの自己評価のところで、確かに自己評価、そして外部評価は必要だと思いますが、そのあとそれをどう生かしていくのか。情報公開をするのかどうかというところまでお聞きしたいのですけれど。
○北波 自己評価というのは、自分のところの事務体制をもう一回チェックして、それで経営体制をもう一度見直すという意味もありますが、介護事業者というのは、株式会社であれ何であれ、社会保険と違うところでやっておられるわけではなくて、基本的には介護保険という公的財源も入ったなかで経営をしておられるわけなので、私たちとしては自己評価をされたのであれば、ぜひそれを利用者に還元するようなことをやっていただければというふうに思っています
そのときに1社だけでなく、まあ1社でもいいのですが、こういう評価をしましたということで外に出していただくのが取り組みとしていいのではないかと。また一つの事業者団体で、地域団体でもいいですが、そういうところで検討されて自己評価基準みたいなものをつくり、それを自分のところでやっていただいて地域の介護保険事業者の情報として出していく。これは行政と一緒にやれるかもしれませんが、そういうこともいいのではないかと思っています。
○司会 ありがとうございました。そろそろ時間がいっぱいになってきていますが、もし質問をしたい方がいらっしゃいましたら、もうお一人だけ受けたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは質問のほうは打ち切らせていただきます。どうもありがとうございました(拍手)。
4月から報酬改定がスタートして、そのなかでまたいろいろ見えてくる問題もあるかと思います。次のパネルディスカッションでは、2005年度の制度改正に向けて、各自治体の状況とかそういったものを皆さんのなかで集めながら、次の制度改正につなげていけるようなヒントを探していきたいと思っております。5分ほど休憩をいただきまして、2時5分再開ということで、よろしくお願いいたします。
−休憩−
◆パネルディスカッション
生活クラブ運動とコミュニティケア 〜生き生き暮らせるまちづくり〜
コーディネーター兼コメンテーター 石毛^子(衆議院議員)
○司会 パネラーの方のご紹介だけさせていただきます。
東京からはACTの理事であり、居宅介護支援事業所のケアマネージャー・清田順子さん(拍手)。お二人目ですが、お名前が神田さんとなっておりますけれども、ちょっと事情がございまして、ピンチヒッターで埼玉生活クラブ生協の理事長の末吉ミホコさんにお願いいたします(拍手)。3人目は神奈川ワーカーズコレクティブ連合会理事・在宅福祉連絡会代表の相馬由起子さんです(拍手)。4人目が千葉からで、生活クラブたすけあいネットワーク事業理事会議長の永桶静佳さんです(拍手)。
では、ここから先は石毛先生、よろしくお願いいたします。
○石毛 それでは始めさせていただきます。生活クラブグループ福祉事業交流会「運動とコミュニティケア 〜生き生き暮らせるまちづくり〜」、これがきょうの主題です。今2時5分をちょっと過ぎたところですが、これから4時20分ないしは4時30分くらいまでパネルディスカッションということで進めさせていただきます。
私は、ご紹介いただきましたように、衆議院議員の石毛^子です。介護保険が1997年の暮れに成立したときにその場におりました。また、介護保険事業計画立案への市民参画−−被保険者代表というふうに法律ではなりましたけれども−−その参画というところを法案修正で実現したという経緯、「介護の社会化を進める1万人市民委員会」という活動もそうした主張を進めた、ということもあると思います。
きょうお集まりの皆さまのなかにも、それぞれお住まいの自治体の介護保険事業計画への被保険者代表として、あるいは事業者代表として参画されていらっしゃるところももしかしたらあるのかもしれません。いずれにしましても、介護保険事業計画は市町村を保険者とし、そこに介護保険の重要な主体である被保険者が参画をするという、大変開かれた制度としてつくられたという、そこのところを改めて強調するところからスタートしたいと思います。
先ほどご紹介くださいました4人のパネラーの皆さんは、東京、埼玉、神奈川、千葉ということですけれども、ここに記載されたような大きな枠組みでは共通点を持ちながら、それぞれ独自にと言ったらあれですが、活動されてこられましたので、これからその活動を15分くらいずつご紹介いただきます。そのなかで実現し得たこと、あるいは課題になっていること、さまざま指摘をしていただけると思いますけれども、終わるときには大きく二つのポイントに絞れていたらいいかなと思っています。
一つは、個別具体的なことでも、あるいは大きな枠組み的なところでも「介護保険への提言」というところで共通の認識ができたらいいかなと考えております。
もう一つは、皆さまが取り組まれている「たすけあい」の活動は、一面で介護保険およびその他の事業という側面とともに、一方では地域でそれこそ生き生き暮らせるまちづくりを進めるという側面を持っていると思います。その関係というか、そこのなかでいろいろと苦労している点もあるでしょうし、あるいは整理したいポイントになるところもあるでしょうし、共通認識が持てればと思うところもあるでしょう。
すごく難しいテーマだとは思いますが、そのあたりを出していきながら、それを受け入れるかどうかは別にして、皆さんがこれから方向性を考えていかれるうえで、お互いに十分に受けとめられるような、そういうお話をしていただければと思っております。その二つを共通のベースにしましょうということを、先ほどお話ししました。
パネルディスカッションとすれば多少長い時間になりますが、フロアの皆さまから質問をいただく時間はたぶん取れないだろうと思います。でも、どうしても質問したいということがありましたら、遠慮なくお手をお挙げください。もう一つ、この長い時間、途中にトイレ休憩というのはありませんので、どうぞご自由に、だけれども静かにお願いいたします。
私からはそれぐらい申し上げまして、早速ですけれども、着席順に清田さんから15分くらいずつご報告をお願いいたします。
それと、先ほどご報告をくださいました北波さんは、パネルディスカッションが終わるまでご一緒くださいます。夕べも九州のほうに出張で行かれてお仕事をされて、大変過酷な日程のなか本当にありがとうございます。そのことだけご紹介しておきます。
○清田 こんにちは。東京から来ました清田と申します。15分ですので、その時間内で終わるようにお話ししたいと思います。資料の12ページと13ページをごらんください。
最初に、ちょっと勘違いしたところがありますので訂正をさせていただきます。13ページの 5、下から3行目ですが、「8,500 円×10.6=9,010 円……8500円……」と書いてあるところは、850 単位の間違いです。そのあとの8,500 円も850 単位と訂正をお願いいたします。
では、このレジュメに沿ってお話ししたいと思います。きょう封筒で配られた中にNPO・ACTの資料が二つ入っています。緑のと、ちょっとカラーのものが入っていますが、それが私どもの法人NPO・ACTのパンフレットと、アビリティという共済のパンフレットです。あとでお読みいただければと思います。
まず「ACTの生い立ち」というところですが、生活クラブ生協の活動のなかから、物の充足だけではなくして、“豊かな人間関係づくり”というところで委員会活動を、そのころの生協は員外活動ができませんでしたので、生協を出てやろうということで、1992年に任意団体として「アビリティクラブたすけあい」を生活クラブの組合員を中心に設立いたしました。そのときの目的を(1)〜(4)として掲げております。
そのあと、阪神淡路大震災とかいろいろございまして、法人格を取得しました。そして今お配りしたNPO法人の「アビリティクラブたすけあい」を設立し、なおかつ2000年4月からは公的介護保険制度へ参画しております。私が所属しているNPO・ACT指定居宅介護支援事業所は、ちょっと長い名前ですけれども、実験的に独立型支援事業所を設立し、今も継続しています。
生活クラブでは利用・出資・運営という形で、自分たちの立場においてやるというふうにやってきましたが、介護保険でも、事業所の立場ではなく、自分もいずれ利用するであろうと考えて、利用者のサイドに立って、ほかのサービス事業所を併設しないでいくために、ケアマネの資格をとった者が都内で13名集まって始めました。
そこに実施区域が書いてありますが、そのころは1カ月約250 件くらいでした。といいましても、始めたばかりの2000年4月は143 件でした。当時は1時間1,000 円、1,200 円で自立援助サービスという形でやっていましたが、その利用者が介護保険に認定された場合は1割負担でいいことになります。それで利用者のことを考えまして、介護保険に参画して低廉な価格でやっていけたら、継続してその人の生活を見つづけられる、という形で参画しました。
そのときに、それほど移行しないだろうということで事業計画を立てたのですが、あにはからんや、私たちは結構要介護認定基準が甘いと考えましたけれども、予想以上に利用者の方が介護保険に認定されまして、ケアマネのほうも、最初は143 件でしたが、1年終わってみますと、250 件を超えて300 件近くになっていました。
それから2002年、去年の7月ですけれども、練馬に二つ目の事業所を開設しました。6月には三鷹に、NPO・ACTたま居宅介護支援事業所の開設を予定しております。実施地域は、そこに書いてある6区11市です。
今は全部で1カ月500 件くらいで、本当に増えてきています。先ほどの北波さんのお話でも利用者が増えているとありましたが、情報が回っていって、利用者も増え、支援事業所は世田谷にあるのですが、本当に依頼が多くて、なおかつ「アビリティクラブたすけあい」というのは、アイウエオの一番最初になるので(笑)、それもありますし、NPOということもあって、最初にかかってくるというのが結構あります。
職員体制としては、最初は管理者1人でしたが、6月時点では管理者3人、常勤5人、非常勤15人、計23人の体制でやっていくことになります。以前は管理者だけが常勤でしたが、今年から常勤を5名にしました。なおかつ、去年の試験に合格した方が4、5名入ることになっていますので、また増えた形で進んでいくと思います。
私たちは、6区11市をやっておりますし隣接した地域もやっていますので、月2回集まって情報を交換・共有したり、困難事例等の検討、また研修にも力を入れています。そういう形でケアマネが孤立しないように考えています。本当に燃え尽き症候群になりやすい仕事だと思いますので、そういう形でお互いにフォローしてやっています。
次に3番の「介護支援専門員の実態と仕事の範疇」のところです。順番はアトランダムに書いてありますが、このへんから私たちが日常的に思っていることを書いています。今現在、支援専門員は一人当たり4件から44件担当しています。4件というのは去年入った方で平均21.7件です。やはり最初の方はだいぶこなせるようになりまして、44件までいっておりますけれども、30〜40件を目安にしています。50件を超えないようにしています。
それは、今回の制度見直しの報酬改訂のなかに、ケアマネの毎月訪問とかいろいろありますが、それをずっとやっていくうえで、これを超えてはできないと思いました。訪問するのに時間を計るわけにはいきませんし、1時間、2時間という形でお話を聞いていたりすると、私自身は10件くらいしか担当していませんが、40件を超えると厳しいかなと思っています。
また、措置から契約に移行したことにより、これまで行政のケースワーカーが担っていた部分が結構、介護支援専門員に回ってきています。措置のときはほとんど行政のケースワーカーの方がやっていたのが、離れたとたん、じゃあ、誰に相談するのといったら、やはり一番身近なケアマネのほうに相談が来ています。
それから先ほどのNPOであることと、アから始まっているからかもしれませんが、行政からも困難事例等の紹介の電話がかかってきます。ほかで断られたものとか、ほかの3件、4件分くらいのものが回ってきたりしています。
それから生活クラブ生協の「アビリティクラブたすけあい」というものから始まりましたので、最初はそれこそ自分たちで事業を始めるにあたり、先ほどお配りした中にありますように共済をやって、自前でお金を組み立ててやってきました。ですからほとんどシャドーワークでした。たすけあいワーカーズをやったときには、1時間50円の世界だったこともあります。それこそ自分たちで事務所を1万円で借りたりとか、そういう形で始めましたので、シャドーワークというのは結構最初からありました。
それを社会化していくなかで、介護保険もコーディネーター役、ケアマネジメント役である介護支援専門員に移ってきましたし、大事な仕事だと思っていますのでやっておりますけれども、その仕事量というのは本当に限度がないというところでやっています。
次の「在宅から施設へ」というところですが、在宅から施設に入所したり入院したりというとき、介護保険ではケアプラン料というのが発生しません。でも、やはり抱えていますと、お金は発生しなくても、その方をずっと看ていることで、どこかに転院するとかどこかの施設に入りたいというときには紹介するし、そういう仕事も回ってきます。病院とかほかのところは自分の仕事は超えませんが、私たちは後から入っていったので、そのへんでシャドーワークということもあるのかもしれませんが、相談役にならざるを得ないところがあります。
その次の「利用者や家族への介護保険制度の説明……」というところですが、保険者からは紙ベースで情報の通知が来ますが、高齢者の方にそれをかみ砕いて伝える仕事はこちらに回ってきます。
4番「ケアプラン作成上の課題」というところですが、私たちが悩んでいるところは、利用者本人の意向と家族の意向が違ったときで、お年寄りの方は家族のことを考えて、「いいよ」という形で施設に入ることに同意されます。そういうときには、本当にそうなのかなというところは常にあります。
それからショートステイの急な利用が難しいということ。施設側としては、ショートステイは常に利用されている状況でないと経営が成り立たないので、予約を押さえたいとなるわけです。でも、こちらとしては、ショートステイというのは急に必要なときに、例えばご家族が調子が悪くなって入院して手術をするといったときなどに、手術日の前後をとりたいわけですが、なかなかとれない。結局、手術日を変更してもらったこともあります。本当にショートステイはとりにくいし、申込み方法もまちまちなので、2カ月から6カ月くらい前の1日となると、朝一番に9時から電話の前に立って電話をかけつづけてとっている状況です。
また、寝たきりで要介護度5の方が在宅での生活を望んだ場合、今の限度額では収まらず、少なからず自己負担が発生します。自己負担が支払えない場合のケアプランは「誰のためのもの?」と思います。本当に施設に行くと収まって、在宅だと……。そういうのを見ていると、その方のためのケアプランと言いながら、結局お金が払えないということで、しょうがないかという形の選択もあって、そういうことが日々的に悩みとしてあります。
それで、次のところに「公的な制度にインフォーマルなサービスを結びつけ、いかに豊かな生活を実現していくか」と書きました。これが今、私たちが本当に大切にしていることです。介護保険にはやはり限度があります。そういうところで、それまでの「たすけあい」、地域での生活クラブの運動、そのへんのところでいろいろなサービスをつくっていき、ネットワーキングを通して、また先ほど北波さんがおっしゃったように第三者評価のところをもっと公にしてもらって、どなたにも選びやすいようにしていきたいと思っています。
最後に「制度見直しの問題点」です。いろいろ変わりました。でも、本当に希望すれば在宅で最後まで暮らしつづけられる仕組みになっているのかというと、まだまだはっきりしていません。また、サービス事業所と併設しないで介護支援事業所が事業を継続できる単価設定になるかどうかは、今のところ非常にクェッションで進んでいます。
それから4種以上のサービスですが、これもなかなか難しくて、4種以上組み入れても、利用者の方があまりサービスを入れたがらないというのもあります。なるべくなら少ない種類でやりたいと。それをあえてというのはやりませんし、そんなことを考えると、4種類以上というのは、一部はあるのかもしれませんが、私たちのところでは、利用者のことを考えると、あんなの入れないでも結構です、というのもあります。
それからケアマネージャーのところでは今度、明文化されたものを……。私たちもやりつつありますが、これをやると、先ほど訂正していただいた850 単位とか、10.6というのは地域加算ですが、10.6というのは市部で、三鷹とか立川とか八王子とか町田とかほとんどの東京の市部は該当します。10.72 というのは東京の区部です。今回はそういう倍率ができて、一方9,010 円から9,110 円まで単価が上がりました。でも、50人はできないし、20人、30人、40人となってくると、それで本当に運営できるのかなというのは今もってあります。
身体介護と生活援助の区分のところでは、私は前よりはよくなったかなと思っていますが、訪問介護事業所の収入としては減っていく部分があります。反対に、長い時間やると安くなるので短い時間に変更してくれないかという依頼もあったりします。制度見直しについては、まだ始まったばかりですし、これから2〜3月やってみまして検証していきたいと思っています。言い足りないところはいっぱいありますが、一応ここで終わります(拍手)。
○石毛 あまりにいろいろ言われてしまったので私は今ボーッとしています、というのが正直なところですけれども、テクニカルなところもありますし、時間があれば北波さんにも教えていただいたほうがいいところもありますが、差し当たって私が気づいた点を、いくつか申し上げたいと思います。
たくさんあるのですが、一つは、独立型居宅介護支援事業所が経営的に成り立つには、というところがポイントとしてあると思います。それからショートステイの空き状況については、ケアマネージャーの方は本当に苦労して探していらっしゃるんだと思いますが、それぞれの地域で、例えば期間型在宅介護支援センターというのはどういうふうに整えられているのか。そこは個別の事業者の方にとって利用価値があるように整えられているのかどうかというようなこと。
それに関連して、自己評価にしろ第三者評価にしろ、情報公開がどこをベースにされているのか。個別事業者のインターネットはもちろん有効でしょうけれど、期間型で空き状況を全部整理している地域もあるやに聞いています。そうした地域のサービスシステムの情報はどんなふうに整備されているのか、ということもあるかなと思いました。
それから今の介護保険で、とりわけ在宅の場合、要介護度5で使える利用限度額では在宅が可能でない方のプラスアルファ、オンする部分の費用負担というのは、皆さんの共同の活動のなかで何らかの仕組みは考えられるのかどうか、ということも重要なポイントかなと思いました。
細かいことで言えば、ケースワーカーの代替になっているんじゃないかとか、言うところの困難事例をどうするかとか、いろいろご指摘くださったし、ポイントになる点があると思いますけれども、時間もあまりありませんから、私が今申し上げた3点が皆さんにも共通する大事なポイントと言ってもいいのかなと思いました。
それでは次に末吉さん、お願いいたします。
○末吉 こんにちは。生活クラブ埼玉の理事をしております末吉と申します。本日は発表する予定でした神田順子さんが足にケガをされまして、急遽ピンチヒッターということで参りました。どうぞよろしくお願いいたします。
私は生活クラブの理事という立場ですので、生活クラブが進めてきた事業と運動、それから目指すこと、ということではお話しできると思いますが、現場の人間ではないので、そのことについては、会場に介護の現場で働いている相談員、スタッフが来てくれていますので、フォローいただきつつ進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ではレジュメに沿って、私たち埼玉の福祉の経緯と考え方ということでお話をさせていただきます。14ページの真ん中へんに「中期計画の福祉政策」ということで書いてありますが、生活クラブ埼玉は今、2000〜2004年の5カ年の中期計画で進んでいるわけですけれども、そのなかで福祉政策として五つの柱を立てております。
事業としては、通所介護事業、訪問、居宅、介護保険認定外を対象とした支援事業、そして自立支援事業、ここらへんを事業として進めたいと思っております。ただ、デイホーム以外についてはなかなか進んでいないのが現状です。
それから地域にさまざまな福祉グループをつくっていくこと。あとで資料のほうを見ていただくとわかるかと思いますが、埼玉にもNPOワーカーズコレクティブということで、たすけあい事業に参入しているグループはたくさんあります。ただ、生活クラブのなかからそういった事業をたくさん生み出すところまでは至っていず、まだ力が足りないのかなと思っています。
それからエッコロ共済・たすけあい共済と、約2万人規模の地域通貨を始めて今年で2年目になります。4番目がCOOP共済。そして、エッコロ共済の積み立てのなかから、福祉事業に対して支援を行なうということで基金をつくっております。
この五つを柱に福祉政策を進めていますが、事業のなかで一番大きなものはやはりデイホーム事業です。95年に「デイホームわ〜くわっく」をつくりました。95年の議案書には「自助、互助、公助とそれぞれレベルがあるなかで、高齢社会は自助だけでは対応できず、互助が必要になります。互助のなかから具体的な課題を発見し新しい公助を創りだしていきます。そのために今後は今活用していない元・物流センターのスペースを使ってデイホームをつくっていきます」とあり、といういうことで95年に所沢にデイホームをつくりました。それから96年に草加に、ということでやってまいりました。
歳をとっても地域で暮らしていきたい、どんな障害があっても受け入れをしたいということで進めてきたデイホームですが、利用費「2,800 円+食事と送迎」ということでやってきたわけですけれども、わかっていただけると思いますが、フロア委託をしているワーカーズに対しても、生活クラブ生協本体としても、事業的には赤字でかなり厳しい運営をしてきた部分があります。
そういうことから、2000年の介護保険の導入にともない、話し合いを進めて、約1年後に介護保険の指定事業者として所沢と草加で事業を始めました。その後、2002年に狭山市にもう一つわ〜くわっくを立ち上げましたので、現在は三つのデイホームということで運営しております。いまは、この狭山の減価償却がかなり大きいのですけれども、事業的には黒字というか、とにかく赤字を出しつづける構造から何とか脱却したというところです。
15ページの「現状報告」というところで少しお話をしたいと思います。デイホームのなかでは対等な人間関係ということで、市場ではサービス事業ということで利用者を「お客様」として扱っていると思いますが、利用者とケア者は対等という意識でやってまいりました。
もう一つは、利用者に対して「やってあげる」のではなく、ニーズを見つけ、自分でできることは手を出さない、時を待つということで進めてきました。時には利用者のほうから、こういうことをしてくれるといいんだけれど、という要求がケア者にされたりしました。協同組合の「自分で考え、自分で決めて、運営していく」という考え方で進めてきたやり方が、利用者の方にも少しずつ受け入れられてきたのかなと思っています。
また、そこに「社会の縮図」と書いてありますが、利用者の方は要求型、要望型、ご迷惑をかけたくない方等、いろんな方がいらっしゃいます。そういったことで、人を見ながらケアをしていきたい、ということで書いてあります。
2番目の「行政や地域の事業所との関係」というのは、ケアマネージャーは24時間いるのに対して、デイサービスは8時間で、3分の1のケアです。ですから利用者の方が入られてから状況が変化したことはデイのほうからケアマネに報告を上げる、つまり一方通行ではない関係をつくっていくことを心掛けている、ということです。
「事業所から見た課題」ですが、「人が大切」ということで、利用者、ケア者、家族、それぞれを大事にということです。一番下に書いてありますように、デイサービスには限界があります。時間的な限界、いくら預かっても1日の3分1であるということ、それから医療的な問題、私たちスタッフの介護力、それから体制に対してもいろいろ限界があります。
一番下の表は現在の受入れ状況です。ごらんいただきますように、狭山が立ち上げから好評をいただき利用者が増えつづけております。所沢の介護度が三つのなかで非常に高くなっています。これはやはり8年前から進めているということで、逆に言いますと、デイサービスを進めていけば、受け入れる方の介護度は上がっていく傾向にあるということです。そういう点からスタッフ的にもきつくなる部分がありまして、事業と私たちの理念・運動との兼ね合いというか、やはり現実問題として厳しい面があります。
私たちの福祉政策のこれからですが、介護保険が入りました。障害者の支援費制度も入ってきます。そういったことで言えば、一番最初にデイホーム、デイサービスをつくったときには、年齢にかかわらず、障害にかかわらず、どんな方でも受け入れたい、自分たちがケアを受けるのならどんなケアを受けたいか、ということで始めた事業でした。ただ、介護保険が入ったことによって、当たり前ですが年齢制限がかかる等、いろいろ制約が出てきます。
そういった意味では逆に、これから目指すことで言えば、もう一度、私たちがしたかったことは何なのかという最初の理念に立ち返っていきたいと考えています。それから三つのデイのなかから見えてくる傾向値を少し整理して、介護保険事業に対して課題を提言していけるよう組織論を深めたいというふうに思っております。
まとまりませんけれども、以上でございます(拍手)。
○石毛 皆さまのほうでも、いろいろ受けとめていただけたかと思いますが、地域通貨は4人のパネラーの皆さまのなかでは埼玉だけですか。東京にもあるんでしょうか。地域通貨はこの「たすけあい」の事業と重なっている部分もあるのかなと思いますけれども、そこらあたりが議論にできるのだったら、後ほどというふうに思いました。
それから、きょうは触れないでおこうと思ったのですけれども、介護保険については、2005年からは障害のある方と共通にするのかしないのかということ、また、あとで千葉のほうから質問をいただくと思いますが、計画づくりが障害の種別−−という表現はあまりいい表現ではないと思いますが−−を超えてという動きのなかで、高齢者を中心に特定疾病を持つ方だけでいくのかどうか、という問題もあると思います。
それから今後ですが、狭山、所沢、草加の三つの活動が時間の経緯とともにどういうふうに変わっていくのか。所沢は8年前からで、要介護度がどうしても進むというお話でしたが、それはおそらくそうなんだろうと思いますが、進み方が抑制できているということも他面ではあるかと思いますので、そういうことについてまた改めて教えていただけたらとても有効な示唆になるのではないかと思いました。ありがとうございました。
それでは次に神奈川の相馬さん、お願いいたします。
○相馬 こんにちは。相馬と申します。私自身は、こちらに肩書きが書いてありますが、横浜の緑区で家事介護(ホームヘルプサービス)と、生活クラブから委託をされてデイサービスのほうを運営しているワーカーズに所属しております。1995年に設立しました。
本題に入りたいと思います。レジュメは16〜17ページになります。後ろのほうに資料がついていますが、神奈川ワーコレ連合会は、2002年12月末において193 団体、5,683 名、総事業高44億円と大きく成長しました。部門は5部門あります。福祉、食、ショップ、情報、文化、委託事業で構成されています。そのうち福祉部門は100 団体を超えています。毎月毎月、一つ二つと増えてきています。約3,600 名ほどが日々活動しています。
経済成長のみが突出してきた日本社会にあって、人間らしく住み暮らすため、成熟した市民社会、活力ある市民社会を目指し、もう一つの労働運動として活動しているのが私たちワーカーズコレクティブです。皆さん同じだと思いますが。そして生活者、市民が中負担・高福祉を実現するためには、市民のつくる公共性が必要であると考えてきました。つまり直接価値移転することの優位性に基づき、地域社会を活性化し、お金で買えない価値を地域に広げる「たすけあい」の仕組みをもう一つの働き方として、協同組合の組織原理に基づき活動を展開してきたわけです。
そして2000年4月、介護保険がスタートしたわけですけれども、地域に最適な基準を満たすための「コミュニティ・オプティマム福祉」を目指してきた私たちは、これに沿って、介護保険のような公的福祉に対応することの意味は大きく、2年近くあらゆる角度から議論してきました。
1番目は、利用者の選択肢を広げること。目の前にいる利用者さんたちにとって私たちが介護保険に参加しない選択をすれば、私たちの手元から離れていってしまうわけです。放さざるを得なくなります。ですから利用者さんの選択肢を広げるということ。
2番目に、公的福祉の領域に「参加型福祉」によって市民が自治する領域を広げるということ。
3番目に、制度をつくりかえるために現場からの問題提起をしていくこと。
この三つの目的を持って開始したわけですが、開始後、当初のシミュレーションに比べ大きな収入の増加がありました。先ほどもちょっと出ていましたが、その理由としては何点かあります。先ほどと大体同じですが、その当時対応していた利用者さんが、コミ・オプの福祉だけではなく、公的な福祉のところに乗っていく方たちだったということと、やはり生協という、安心感もあると思うのですが、質のいいサービスを地域で提供するよう私たちが行動してきた結果だと思います。
私たちが公的福祉に対応して見えてきたものは、コミ・オプ福祉の重要性と、それを地域に展開できることの強みでした。つまり地域で福祉のコーディネート、生活者としてコーディネートをするとき、公的福祉だけでは当然満たされない現実と、コミュニティ・オプティマム福祉の優位性、それをさらに広める必要性が際立ってきました。
私は、2000年の介護保険スタート直後は生活クラブのほうで訪問介護の管理者をしておりました。そのときにワーコレのほうから問い合わせの電話がありました。60歳代で障害をお持ちの男性の方がリハビリのためにプールに通いたいんだけれども、着脱のところを介護保険でできないかというものでした。プールのところはたぶん無理だと思いますから、と。
私も無理だろうと思ったのですが、一応県のほうに問い合わせをしてみました。案の定、無理でした。リハビリという非常に重要なところで、利用者さんのQOLを上げる、あるいは落とさないために行なうケアに対して、介護保険が使えないのです。もちろん何でもかんでも介護保険で対応できるというのは、それはそれで問題ですが、その利用者さんを放り出すわけにはいきません。
そういうときに、やはり私たちは地域でコミ・オプ福祉、要するに地域で「たすけあい」のサービスをしていて本当によかったなと思いました。介護保険の方は「どうしましょう」と言われたのですが、私たちの場合は本当に幸いに「たすけあい」でやっていけますから、多少介護保険より利用者さんの負担は大きくなりますが、そんなに変わらない金額で私たちのサービスを提供することができます。その喜びは本当に「コミ・オプをやっていてよかった、地域でたすけあいをやっていてよかった」と思いました。何が何でも全部、介護保険にのせていけば、あとどうなるかは、もう見えてきています。
ただ、収支決算のほうは思っていた以上に収入が大幅に上がりました。そのなかで、働き方を含めて私たちはいろいろな議論をしました。増加した収入をコミ・オプ対策費として、新たな福祉を展開するための資金として地域に還元できることも、市民事業の素晴らしさであると思います。
ただ、出た剰余を全部コミ・オプ対策費にということではなくて、自分たちの収支構造を明らかにすること、自分たちの分配金、あるいは事務所経費、要するに諸経費のところでどのくらい使ったらいいかとか、今までアンペイドにされていたコーディネーターのところにもきちんと支払いをしていき、なおかつコミ・オプ対策費として地域に還元していこうということで、コミ・オプ対策費のところも明らかにすることを決めました。
このように私たちは支え合いをベースに市民福祉社会を目指しているわけですが、そのなかで今課題を多く抱えているのは、子育て支援と移動サービスです。現在、保育園は数十年前に国が定めた認可・無認可という2種類の分類しかなく、その受入れ方は、公的施設、つまり認可施設は日中や平日の通常ケースの保育に限られ、障害児の積極的受け入れは皆無に等しい状況です。また認可保育園では子ども1人当たり、ゼロ歳児で約30万、3歳児で約6万円の税金が投入されています。一方、補助制度のない無認可保育園では、税金投入はゼロという不公平が生まれています。
そのなかで地域の多様なニーズをていねいに拾い上げ、その地域の実績に合った保育園をワーカーズによってつくりだそうということで、「子どもミニデイサービス」が次々に地域に生まれています。しかし現実は、子育て支援というより、子育てが孤立しやすい社会状況にあって、親支援が大きな目的になっています。
今までだったら、何かあったときには「ねえ、この子ちょっと変じゃない」とか「このくらいの発達段階でおかしくないかしら」と隣近所の人たちに相談し、「おかしくないわよ。みんな同じよ」ということで安心感を得ていたのですが、今のお母さんたちは、子どもをうちの中に抱え込んでしまって、そういうコミュニケーションがなかなか取りづらい状況にあります。
つまりコミュニティ機能が弱まり、人と人とのつながりが希薄な社会のなかで、お母さんたちは一生懸命子育てをしているのです。そういうことで、子育て支援というよりは、親支援が大きな目的になっています。このような大きな課題を背負いながら、実は無認可のところでは、分担金が200 円、300 円というワーコレの現実があります。
また移動サービスにおいても、人間の移動の自由、歳をとっても障害を持っても行きたいところへ行きたい、というアクセスフリーの自由を今移動サービスが担っているわけですが、皆さんも新聞等でご存じと思いますが、法的な網がかかろうとしています。
また配食サービスも、公的福祉が後回しにしているサービスの一つです。質の高い食事は私たちの命と健康を保証します。つまり健康な高齢者のQOLを上げることにより、介護保険を無駄に使うことを妨げる防波堤になり得るのです。
このように地域では問題・課題が山積みされています。この問題・課題をニーズとして捉え、地域のなかで解決するための仕組みとしてつくったのが、生活クラブ運動グループ、コミュニティ・オプティマム福祉のマネージメントユニットです。18ページに出ておりますように非常に長い名前ですが、通称「ローカルユニット」と言っています。現在は15のユニットですが、将来は行政区ごとのユニットに分ける予定でおります。
生活クラブ運動グループ総体が、つまり生活クラブ、福祉クラブ、ワーカーズ、コモンズのそれぞれが地域ごとに集まり、ニーズの掘り起こしをするとともに、コミ・オプ対策費などの地域資源を結集することにより、単体では進めにくい、「自分たちが入りたい施設づくり」、それからより充実したシステムを構築することが可能になると思います。
先ほども基金のことが出ていましたが、コミ・オプ福祉対策費に限らず、生活クラブや福祉クラブでも今、基金が基盤として整いつつあります。ワーカーズ連合会でも基金のほうを進めています。あるいは運動グループ以外のところでも、地域の人たちによる寄付、そういった寄付構造を地域の人たちに広めるということも私たちの仕事ではないかと思います。
超少子高齢者社会は、支える人が少なくなり、本来支えられる人たちがお互いに支え合う、つまり高齢者同士、元気な人が支援を必要とする人を支える「たすけあい」の仕組みをつくっていかなければ、私たちの将来は非常に暗いものになると思います。
実例を挙げれば、デイサービスのリハビリで90歳の男性が、「今の若い人たちは何でもかんでも国のせいにしすぎる。自分たちは戦後の何もないときに、人のせいにしないで自分たちの力で何か興そうとした。今の人たちにはそれが足りないよな」とおっしゃったのですが、この言葉は非常に私の胸に響きました。
そうやって気づいた人たちが、人のせいにしないで自分たちで何かをやっていくことはやはり必要なことだし、それが生活クラブ運動グループのなかに培われている基盤となるものだと思いました。市民が望む福祉を市民自らがつくっていこうとするとき、提案し議論することの習慣を学ばなければならないと思います。
それが生活クラブ運動グループのなかで培われ、ローカルユニットを通して、今、地域に広がろうとしています。これを境に、私たち生活クラブ運動グループのみならず、地域に対してもっともっと私たちは意見を言い、地域の人たちを巻き込むために、いろいろなシステムを自分たちの知恵を使って地域に広めていきたいと思います。
以上です。ありがとうございました(拍手)。
○石毛 この会は2回目ですか。「コミュニティ・オプティマム」という表現は、きょうお集まりの皆さまにはお馴染みなのでしょうか。
またあとでチャンスがあったら質問していただければよろしいかと思いますが、16ページの「在宅福祉W.Co連絡会議の概略」というところで、「措置型の公的福祉の限界を超えて、地域での生活最適条件を満たす“コミュニティ・オプティマム”」とあります。つまりオプティマムは最適ということですから、地域最適という、そういう条件を積極的につくりだしていこうということですね。
ですから相馬さんのお話は、介護保険の介護報酬という収入も含めて、その収入のなかで、労働を担う人に対する分配金のほかに、コミュニティ・オプティマムを実現していくための蓄積資金もきちんと位置づけていこう、というお話だったと思います。それでまずはよろしいですか。
それから相馬さんのお話の後半で、子どもミニデイサービスのお話が出ました。これは保育行政と関係がありますので、もしかしたらこれからの展望としては、保育行政の規制緩和の方向性との兼ね合いで考えていくことなのかなと思いました。
千葉も子育て支援、保育、ミニデイサービスはされているんですか。
○永桶 子どもはやっていません。
○石毛 そうですか。東京も、子どものミニデイサービスはまだやっていないんですよね。個々の家庭を訪問して子育てをお手伝いすることはされているでしょうけれど。このあたりは、これからどういう方向性を実現していくのか、とっていくのか、注目すべきところかなと思います。
ちょっと余談ぽくなりますが、私が今、保育所で非常に気にしているのは、保育所の建物が不燃耐火物でなければならないという設置基準です。一方で高齢者のほうはグループホームで、例えば木造の一軒家でもできるようになったのに、子育て政策のほうにはまだ規制があって、必ずしもきちんと議論されていないなと。そうこととも絡んで、これから子育て支援、とりわけ昔流に表現すれば「集団保育」の部分を−−通じますかね、集団保育なんて(笑)−−どういうふうに整理していくのかな、と。
もう一つは、移動サービスとか、アクセスフリーの部分、配食サービスの部分は、介護保険に密接に関係する国の施策としては、介護予防生活支援事業でしたか、そこに含まれるわけですが、北波さん、これは要介護を認定された人ではなくて、その前段にある方が対象でしたでしょうか。
○北波 介護予防・生活支援事業は介護保険導入時と同時に車の両輪として開始された事業。生きがいデイサービスのように、要介護認定で自立と判定された人を対象とする事業があります。
一方で、配食サービスは独居で生活に不安を抱えている方を対象としていて、要介護認定を受けているかどうかは問わないものなどいろいろあります。
○石毛 では、マイクを持っている私のほうから。介護予防生活支援事業は、必ずしも要介護認定を受けているか受けていないかということではなく、例えば独居の高齢者の方への給食サービスというような形で展開されている、というのが北波さんのご紹介でした。 自治体によっては、介護予防生活支援事業が、要支援・要介護認定された人には適用しないとなっているところもあるでしょうし、認定を受けた方のオプションとして、上乗せとして利用できるところもあるのかなと思いますけれども、そのへんの実情と、相馬さんのお話の、コミュニティ・オプティマムとして積極的に展開していくという、そうしたこととの関係も少し念頭に置いたらいいのかなという、そんな思いで伺っておりました。
私があまり長く話すのはどうかと思いますけれども、確かにスイミングがリハビリになるというのは介護保険のなかでは認められていませんし、私はお芝居を観にいくのもいいのではないかと思っているのですが、それもだめですので、そんなことを含めまして、大変いろいろなことを思わせていただきました。
それでは、千葉のほうからお願いいたします。
○永桶 こんにちは。生活クラブ千葉の永桶です。声を聞いてわかるように、風邪をひいておりましてちょっとお聞き苦しいかと思います。すみません。
レジュメは19ページになります。このほかに生活クラブの第7次中期計画を添付してと言ったのですが、膨大な量なのでカットされてしまいました。それでこちらの二つ、『生活クラブのケアプラン〜ホームヘルプサービス・デイサービスセンター〜自分らしい生活のお手伝いをします』というパンフレットと、もう一つ『わが家』という高齢者福祉施設「風の村」の資料がございます。あとでごらんいただければと思います。このレジュメに沿って、私たちの「たすけあいネットワーク事業」を1期、2期、3期という形で分けてお話ししていきたいと思います。
1期は1994年度からとなっていますが、その前にも「たすけあいワーカーズ」という形で生活クラブ関連の、組合員の人たちが立ち上げたものがございました。1994年に「たすけあいネットワーク事業」として、たすけあいワーカーズの人も含めてもう一回再編するという形で、この事業が発足しています。
今、ほかの生活クラブからの報告がありましたが、千葉の特徴的なところは、このたすけあいネットワーク事業というのは、生協の事業として訪問介護を中心に行なってきているということです。当時は、たすけあいワーカーズは地域で一生懸命やっているんだけれども、担い手がなかなか増えないという悩みも抱えながら、事業のなかで担い手をきちんとつくっていくことを大きくテーマとして持っていたというふうに思います。
1994年のあたりでは、1時間1,000 円の利用料で、そのほかに交通費とか消費税もかかってしまうわけですけれども、ワーカーに1,000 円払うという、ほとんどツーペイの世界でやっていました。継続した事業を行なっていくと言いながら赤字構造だったわけですけれども、たすけあい共済の手数料収入を補填しながら行なっていました。
もちろんずっとこういう赤字構造を続けていくということではなく、事業の成果を見ながら、行政の委託を受けていくことも視野に入れて動いていました。当時は、本当に依頼があれば極力応えていこうという姿勢で、地域に暮らす人のニーズがどんなところにあるのか、とにかく身体をもって知るというか、やりながら考えていくという時期だったと思います。それで言いますと、本当に多様なニーズが、こんなことも必要なのかと思うことがいっぱいありました。この時期の経験が、今でも財産になっているのではないかと思っています。
そして介護保険制度ということになっていくわけですが、私たちはそれまで、公的サービスは市民のニーズに合っていないということをさんざん言い、「自分たちが受けたいサービスをつくる」ということをずっと言ってきました。しかし利用者の方自身に介護保険の対象になる方がたくさんいたということで、やらないわけにはいかないだろうなということで、恐る恐るではあったのですが、介護保険に参入していったという経緯です。
介護保険に入ってからは、ある種想像を絶するような、不眠不休という言葉も使われるほど依頼が殺到しました。参入する前は、それまでは採算に合っていなかったということもあって、8対2、8が介護保険事業で2は独自事業を保っていくことをみんなの目標にしていました。グループによってはもっと介護保険の事業比率を低く考えていたような感じもしますが、始まってみたら、今の状況は9対1です。
このことは私たち独自の事業については多少問題を持っているところもあるのですけれども、ただ、独自の事業ではアプローチできなかった数多くの地域の人々に出会えたことが、介護保険参入の意味のなかでとても大きなことだったと思います。
同時に、介護保険の制度上の問題もずいぶん感じています。私がここで与えられたのは、訪問介護というところに焦点を当てて話すように言われていますので、その流れでお話ししますが、4月の改正で3類型が2類型になりました。でも、依然として類型別になっている。一体的なケアの提供ということからすると、2類型でもまだ問題があるというふうに感じています。
支給限度の問題もあります。その人がどういうサービスを必要としているかは、介護度の問題ではなく、事情によって異なるわけです。私たちも、介護度5の方が在宅で暮らすためには支給限度額をオーバーしてケアプランを立てています。というようなことで、個別援助と言いながら、そうはなっていないというところにも問題を感じています。
また介護保険は対象者のみで、家族は含みません。個別援助というふうにしか考えていないわけですが、現実にはその家族も含めて考えなければ問題が見えてこないということがあります。あるいは、むしろ家族の問題のほうが深刻ということもいっぱいあるわけです。
1人の利用者から地域住民が抱えているさまざまな福祉問題が見えてきたと思っていますし、福祉問題だけではなくて、保険の問題、医療の問題も抱え込んでいるということで、介護保険にかかわることではいろいろな問題を私たちは現実に目にしています。すぐに解決できないことも多いし、私たちだけで解決するということではないのですが、今、介護保険、それから独自のサービスでも、利用者からいっぱい宿題をもらっているなというふうに感じています。
それを少しでも解決に近づけるためにということで、千葉では今、県内に「自分らしい地域生活支援研究会」というのが立ち上がっています。一応生活クラブが事務局機能も担っているのですが、強制ではなく主体的にかかわっているのですが、その「自分〜」系のなかの一員として、先ほどお話しましたようなさまざまな問題について考えています。年齢や障害の種別を問わず、種別というのはあまりいい言葉ではありませんが、いわゆる3障害とかそういうことを問わず、家族が抱えているさまざまな問題がある。それにかかわっている県内の施設とか福祉関係の方が多く集まって、夜な夜な研究会あるいはワーキンググループということでテーマ別に話し合っています。
そのなかで県が立てる地域福祉支援計画に対して政策提言していくことも行なってきていて、もちろん全部が盛り込まれたわけではありませんが、そこに反映できた部分もあります。運動としては、生活クラブを中心にということではなく、県内のさまざまな福祉団体や個人と協力して行なっているのが今の段階です。
これからその地域福祉支援計画が公表されまして、そのあと説明会ということで、タウンミーティーングを県内のさまざまな関係者に呼びかけて行なう予定になっています。3月22日には「健康福祉千葉方式」でしたか、そんな名前のフォーラムが行われたのですが、県内からたくさんの障害を持った当事者の方、それから福祉関係の方が集まって、なかなか感動的なフォーラムをすることができました。
この先ですが、障害者の支援費のほうも始まっていますが、そこもどういうふうにしていくかという問題があります。そこへいくと、介護保険の対象者というのは、特定疾病で言えば40歳以上からいるわけで、かなり年代の幅が広い。あるいは特定疾病でない方は65歳になったら急に高齢者の介護保険の対象になるという矛盾もある。これがこの先どうなっていくかは議論があるところでしょうけれども、地域に暮らすためには、年齢とか障害によってではなく、共通の施策を持って行なわれること、あるいは固有の問題は固有に解決するということが必要になってきていると思います。
そのことについては、運動の部分で地域の人たちと一緒に考えていきたいというスタンスで今やっています。少しずつといいますか、手応えはあるけれど、まだまだ課題はあると思っています。そこでは生活クラブは、一定の役割は担うわけですけれども、中心ということではなく、地域のなかの社会資源の一つとして活動していければいいなというふうに思っています(拍手)。
○石毛 どうもありがとうございました。
私のほうから2点ほど付け加えさせていただいたほうが、もしかしたらいいかなと思いましたのは、たしか今年の4月から、それぞれの基礎自治体は地域福祉計画をつくらなければならないと。社会福祉事業法が社会福祉法に変わったなかで、そういう規定になっているということ。それから県は地域福祉支援計画をつくるということで、もうかなり動いていると思います。たぶん社協が中心になっているところが基礎自治体では多いのではないかと思いますが、そこは一つ注目していただく必要のあるところ、あるいはそれこそ評価をして発言していく必要のあるところだろうと感じました。
それから、すみません、北波さん。やはりちょっと発言をお願いします。ご説明いただける範囲で、この4月から支援費が始まりましたが、支援費制度は精神障害の方にはまだ適応にならなくて、40歳以上の特定疾病の方は介護保険ということで、三層になっているわけですけれども、これがどういうふうに制度的に考えられていくのかというところを、お答えいただける範囲でお願いいたします。
○北波 お答えになるかどうかというのはありますが、支援費はこの4月から始まっているわけですけれども、一つは若年障害者の取り扱いについて、制度見直しのなかで結論をつけろという話が言われていますので、今回結論が出せるかどうかというのはありますが、ある一定の方向は出したい、出さざるを得ないというふうに思います。
もう一つ、精神障害のほうも、要するに精神障害者を施設からどうやって在宅に戻していくのかについては計画をつくってやろうという話がありますので、そのなかで在宅に出られた方については介護保険の適応も考えていくことになりますが、これは支援費とは全然違う話です。
支援費のほうは、この4月からなので、施行状況を少し見てから考えるということもありますし、また障害のほうでは、コミュニケーション障害の方というのは実は介護保険の介護は全然関係ないんですね。そこらへんのこと、被保険者の範囲を広げるのはいいんですが、給付と負担のバランス、それをどうしていくのかというところはまだ検討は全然進んでいない状況です。
したがって、当面はこの状態でとりあえずいくんだろうと。要するに障害は支援費で、高齢の範囲のところで適応できるものについては介護保険の適応になると。おそらく次の制度見直しで一本化できるかどうか、それについてはちょっとまだここでは断定できないと思います。
一つだけ覚えておいていただきたいのは、今も障害者手帳を持っておられる方の5割から6割くらいはもう高齢の方だったような感じがします。だから今でも障害者手帳を持っておられて、介護保険の適応も受け支援費の適応も受ける方というのはわりとおられるという状況ですので、そこらへんの事実関係も見ながら検討していくことになろうかと思います。以上です。
○石毛 ありがとうございました。
それでは、残された時間は約60分ということですが、まず介護保険への提言といいますか要望といいますか、最初に清田さんのほうからも触れられていましたが、いろいろなことを項目的に出していただくだけの時間もないと思いますので、一つ、永桶さんも触れられました訪問介護報酬が身体介護と生活援助の2類型になっているという、そこらあたりについて、清田さん、相馬さん、永桶さん、お考えがありましたらご発言ください。末吉さんはデイサービスのところでお願いします。それでは清田さんからお願いします。
○清田 介護報酬が身体介護と生活援助の2類型になりましたが、私たちは1類型を要望いたしました。以前は家事援助はものすごく低くて1時間1,530 円、身体が4,020 円で、そんな差はないのにと思っておりましたので、今回2類型になって、それでいいというわけではないですが、以前よりはよくなったと私は思っております。
というのは、今、生活援助、家事援助をする人が本当に少なくなっています。若い方は家事援助ができなくなってきていて(笑)、新しい人はやっぱり身体のほうに行くんですね。身体介護はマニュアルがあるというか、ある程度身体介護のことをやるとできるんですが、家事援助は各家庭によって違うので、それをこなすのは相当な技術が必要です。1,500 円と4,000 円の差は絶対にないと思っているわけです。
若い方は当然、身体介護にシフトしていきますから、じゃあ、家事援助は誰がするのと。そこのところが今回、生活援助という形で1時間2,080 円くらいになりました。前は1,530 円ですから500 円アップで、若干ですがよかったと思っています。
プランを立てるときにも、身体介護は高いんですが、ピンポイントになったのはとてもよかったと思っています。長い見守り的なところは、それこそ介護保険サービス以外のところで、ボランティアなり、私たちは自立援助サービスというところを団体でやっていますが、それぞれの生活クラブのところでもやっているように、そういう形で地域のつながりを大事にしていけるので、この2類型に関しては以前より私はよくなったと思っております。
○石毛 でも、1類型のほうがいい?
○清田 いいです。まだまだ生活援助のところが低いかなと。でも、中の精査が必要かなとも思っています。見守りでいいところは介護保険でないところでやって……。
それが今うまくいかないのは、これまでのところで訪問介護事業所が、複合とかいろいろなところで結構お金をうまく使っているところで、それが今度は短時間にするとすごく安くなるので、そこらへんが……。例えば支援費制度を導入したときに、障害者の方は反対に事業所が長い時間やってくれないんです。短くしてくれたらやりますよという形なので……。
保険者のほうは同じ時間を提供するようになっていますよね。3月までと同じ時間を介護保険のところと支援費で提供することになっているときに、介護保険である程度やって、残りのところを支援費でやるときに、そこらへんのところを介護保険事業所が、私たちのように利用者の立場に立っているところは、結構、支援費の事業所としても単価を下げて、この利用者の方には必要だよねとやるのですが、営利のところだと、とても3時間以上は受けられませんと。
そこらへんは今までの弊害がちょっとあるのかなと感じられて、慣性の法則ではないけれど、2000年から2002年の2年間やったなかで、訪問介護事業所が体得したところを変えるのがちょっと難しいのかなと思っています。言っていることがわかるかわからないか……。ごめんなさい。
○石毛 後半の支援費関連の話は聞かなかったことにします(笑)。
○清田 聞かなかったことにしてください。ごめんなさい。
○石毛 わかる気がするという方はたくさんいらっしゃると思います。
○清田 すみません。ただ、2類型になったことは以前よりはよくなったと私は思っています。いろいろ複合が入ったなかの何種類かの組み合わせよりは一歩よくなったかと思います。
○石毛 聞いていきたい点もあるけれど、時間がもったいないので、相馬さん、この2類型か1類型かというところでお願いします。
○相馬 ワーコレ連合会としては、もともとコミ・オプをやっていたときから、介護であろうが家事であろうが同一金額です。家事のところを低く見るというのは、ジェンダーの問題もあると思います。そこの問題には今は触れませんが、これだけの団体数ですので、確かに家事と介護で差をつけているところはあります。でも、基本的には一緒です。
例えば、私たちは相手に添わせることが基本ですので、家事をやっても、相手の味つけですとかお料理の仕方ですとか、全部その方に合わせています。これは家事に対するそれなりのノウハウと蓄積がなければできないことです。そこのところのテクニックといいますか、相手に添わせながらおいしいものをこしらえていくことと、医療系のところはちょっと別ですが、身体介護のところでどうして差をつけるのかわかりません(拍手)。
それと、私は医療のところ、ヘルパーがやってはいけないところがありますよね。そちらを県のほうに問い合わせしてみました。明瞭なお答えはいただけませんでした。資料をお読みくださいということで、指定された資料を読んだのですが、明快なことは書いてありませんでした。
医療系のところでは現場のヘルパーはかなり悩んでいます。やってあげたいけれども指定を取り消されるのは怖いというのが現実としてあります。そのへんが介護保険のなかできちんと整備されない以上は、私たちヘルパーはやってあげたくてもできないというのが実情、あるいは目をつむってやっているところも確かにあります。そのへんの問題もはっきりさせていただきたいなと思っています。
○石毛 永桶さん、続けてお願いします。
○永桶 訪問介護については、一体的に提供しているという認識がありますので、類型に分かれているということは、とても矛盾することだと思っています。今お話があったように、家族が行う医療行為ということだったり、結局ホームヘルプではできないということになっているわけですから、そこでは手伝えることが少なくなっているのが現状です。
ただ、現に行われていることも数多くあるということで、そこはグレーゾーンといいますか未整理な部分で、ここの論議もしないと、一体的にということについてもなかなか整理ができないのかなと思っています。ホームヘルプにも一定、今、医療行為と言われているものについて踏み込んでいかざるを得ないし、いくべきものがあるというふうに考えています。
○石毛 ありがとうございました。それで、またまた北波さん、登場していただいていいですか。
私もちょっと時間がなくてきちんと確認ができていないのですが、ALS協会の皆さまが坂口厚生大臣宛てに、言うところの医療行為を認めるようにということで要請を出されて、3月中に回答を出しますというのが、去年のいつごろかの動向でしたので、もしかしたら厚生労働大臣からALS協会には回答が出されているのかなと。確認してくればよかったというのはそこなんですが、すみません、できていないので……。
今ご発言いただいたことはもうずっと続いている悩みといいますか、そのあたりについて北波さんから状況報告とかお考えを教えていただければと思います。
○北波 ここの問題はちょっと微妙なところがありまして、実は老健局で検討できるのかどうかということがまずあります。
ホームヘルパーの業務をどうするかというより、むしろ医療行為をどう考えるかというところなので、実は私どものほうではなくて、もう一つ医政局というのがあるんです。医療を担当しているところで、坂口大臣の要請を受けて、桜の咲くころにはまとめるという話なので(笑)、桜はまだ咲いているのか散ったのかわかりませんが、おそらくもうそろそろ出るのではないかなと思います。そこらへんは大臣の意向もありますし、大臣も現場というところを大事にされる方なので、一定のご理解をいただけるような結論ではないかなという感じはあります。
ただ、医療・医業というものは一体何か、医学的管理とは何かというところもあるし、やはり医療職がやるべきものと、そうではないところの線引きというのは、今までは曖昧なままでやったりしているので、そこをどういう形で仕切りをつけていくのかというところは、いきなり仕切りをつけてしまえるものでもなくて、そこらへんはどうするのか、結論は私たちもいただいていません。もうそろそろ出るのではないかなという状況ではありますが。
○石毛 ありがとうございました。
もう皆さまご存じでいらっしゃると思いますけれども、医療職の方がやるのが医療であって、それ以上でもそれ以下の定義も法律的にはないと。だから医療業務とは何かということはいろいろあるでしょうけれども、医療職がやれば医療だという規定しかないわけです。
たぶんおっしゃられましたように医政局、とりわけこの問題は看護業務の方の業務独占と絡んでいる問題ですけれども、私も開かれる方向性でというあたりは少し情報を受けている状況ですから、それこそ北海道で桜が散るくらいのときには(笑)、方向性が出るのかなと。ただ、それが訪問介護の報酬としてどうするかということに移っていくかどうかは次の課題だと思いますので、それは北波さんのほうできちんと受けとめてくださることだと思いますので、宿題として置いておきたいと思います。
それでは、もう一つか二つ……。デイサービスのほうにいきますか。埼玉のほうで、訪問介護の介護報酬の2類型、1類型につきまして何かございましたら。
○参加者(埼玉) 突然のご指名で、質問の内容とかけ離れたら申し訳ないのですが、私どもたすけあいワーカーズ「たんぽぽ」は、介護保険事業に参入しておりません。ですから今の2類型という単価ですが、正直言いまして雲の上の数字です。私たちのワーカーズでは、身体介護は1,000 円いただきまして、一般的な家事援助を含めて見守りは800 円です。
そういうことのなかで、今の問題に関連して言いますと、介護保険事業に参入した方たちだけではまかない切れない部分がありますよね。そういうところに私どもは入っているわけです。そうしますと、介護保険ですと、身体介護は1時間4,000 いくらですよね。ただ、1割負担ということで、ご利用くださる方は400 円前後だと思うんです。ところが、私どもは実質800 円しかいただいていないのですが、ご利用されている方にとっては倍になってしまうわけです。
やっていることはたぶん同じだと思うんです。でも、介護保険の点数が足りないけれど、担っていかないとその方の生活ができないという部分に入っている私たちとしますと、その金額を上げることは利用者にとって負担になるのではないかということで、正直言いますと、ワーカーズの事業としますと、介護保険の事業に入っていないという点では、あっぷあっぷです。
ただ、これからどうするかですが、生活援助と身体介護の線引きというのはとても難しいんですね。経過をたどるごとに、たぶん身体介護が入ってきます。ところが、800 円だったものを途中から1,000 円いただきますということがなかなか言えない。申し訳ないということで、こちらが全部かぶってしまうということがございます。これからはそういう点に関しても、先ほどコーディネーターの方がおっしゃった、何年かたって、こういう経過をたどったときにはこういうふうになりますよ、という説明も含めて、私たちがやっていることが認められるような形で運動していきたいと思っています。
今のご質問に対しては多少外れているかもしれませんが、活動としては、地域に密着したものをやっているつもりではいますけれども、事業形態としてはなかなか難しいなと思っています。
○石毛 今のご提起は、あとでもう一回伺おうと思っていたこととも密接に関係しています。ありがとうございました。
それでは、ちょっと場面を移しまして、デイサービス、あるいはデイケアサービス、今回の場合はデイサービスだと思いますが、介護保険へのデイサービスからの提言はパネリストの方ございますか。なければ次のテーマに移りたいのですが、いいでしょうか。参加者の方で、どうしても発言しておきたいという方はいらっしゃいますか。
○参加者 今おっしゃったデイサービスのなかでも仕事を担っている一員なので、デイサービスの立場で、働く立場で一言発言したいのですけれど……。
○石毛 働く立場からですか。それはちょっと、あとでいいですか。
○参加者 わかりました。失礼しました。
○石毛 それでは、生活クラブ関係ではデイサービスの老舗からご参加いただいています「ゆうゆう」の大橋さん、何か発言はありますか。どうしてもこれだけは発言しておきたいということがあれば。会場からはご意見はいただきませんと言いながら、ごめんなさい。司会者の特権でお許しください。
○大橋 すみません、大橋と申します。
先ほど埼玉の方も言われていたように、利用料との関係というのは非常に悩むところです。デイサービスに限って話をしますと、実は東京、横浜以外のデイサービスというのは、介護保険以前のときのいきさつからいって、デイサービスの利用料の設定、それから介護保険の設定というのが非常にアンバランスなんですね。
特に東京は入浴サービスについては、訪問入浴と同じくらいの委託をしていたんだけれども、介護保険になるとがらっと……。訪問入浴だと、例えばケアマネージャーの立場で言うと、それが一発入ると、ほかのサービスが困ってしまうというくらい単位数が高いんです。でも、通所すると、「これはなぜだ」という設定がしてある。そのへんがデイサービスをやっていて、バランスが悪すぎるんじゃないかと思っています。
○石毛 わかる人もわからない人もいるご発言だと思います(笑)。やっていなければわからないということかと思いますけれども、北波さんには受けとめていただいて。
通所デイの入浴サービスというのは、コストパフォーマンスが悪いですよね。水道代とかいろいろなものを入れると、ますます悪い。
○大橋 どうしたって2人必要なのに、人件費が出ない……。
○石毛 ということもあって、北波さんにもご意見はあると思いますが、時間の都合で、この件はこれで止めておきます(笑)。
もう一つ、ぜひパネリストの方に考えていただけたらいいかなと思いましたのは、在宅での訪問介護の支給限度額は37万円弱ですよね。36万8,000 いくらですか。それでは足りないということで、いろいろとご発言があったかと思います。
その足りない部分はどうするのか。公的介護保険のなかでもう少し上げていくべきと考えるのか。もう少しと言ったところが、ちょっと意味深長なところで言っているのですが……。または、きょうは基金とか地域通過とかいろいろご発言があったと思いますが、そうした地域での福祉的なお金とサービスの循環でそこのところをオンしていくというふうに考えていくのか。それとも、在宅と訪問介護とデイの活用で一生懸命頑張っていくより、入所施設に入っちゃったほうが割安感だということで、どんどん待機者を生み出しているわけですけれども、そこはどういうふうに超えていったらいいのか、というあたりで少し意見を出し合っていただけたらと思います。清田さんから順番でお願いします。
○清田 在宅でオーバー5の方でご家族がいらっしゃる方でも、日中働いていらっしゃる方とか、高齢の方が看ていらっしゃる方とか、独居に近い方ではやはり足りません。
そういうときに、結局やむなく施設へという選択もあるのですが、自分たちとしては、自分は施設には入りたくないと思って立ち上げましたので、なるべく同じところで最後までいけるような、そういうサービスが増えればいいなと思っておりまして、アビリティクラブたすけあいの場合は、一応たすけあいワーカーズのほうで自立援助サービスという形でやっています。
これが先ほどの価格設定で、東京はちょっと高くて1,200 円とかそういう設定なんですけれども、会員同士の助け合いという形で、介護保険の限度額を超えた分は会員同士で提供できるようにしておりますから、会員同士の場合はあれですが、ここで問題がありまして、最初から利用している方ではなくて、ほかのところで目一杯で、ほかのケアマネが「おたくには安いのがありますよね」と言って回ってきたときに、どう受けとめるかというのが、なかなか……。
そこらへんも含めて、この際、たすけあいワーカーズを地域で進めていこうよ、広げていこうよ、こういう会員組織を広げている地域にサービスを増やしていこうよ、という立場できちんとやっていけるかどうか、それとも事業所として「うっ」というところを、今NPO・ACTのなかで討論している現状です。
今までの会員の方にはそれはきっちり進めていくということで話は進んでおりますが、オーバーしたときに会員には1,200 円でありますよというところは、まだ話は進んでおりません。ただ、一応そういう方向で持っていこうという話はしております。やっぱり4,000 円となるとものすごい負担になりますので、そうするとご本人はいたくても、お金のことを考えて「施設へ」というのが、とても苦しく思っています。
○末吉 私個人の認識でお話しさせていただきますと、さっき言いました生活クラブの第3次中計の一つの柱は「不安を感じない地域を具体化したい」ということなんですね。先ほど言いましたように、事業としては介護保険事業をやっていますが、それだけではやり切れない部分についてたすけあい共済をつくっているわけです。そして、さらにそれの隙間をということで、地域通貨、エッコロというものをつくりました。
その部分に関して言えば、例えば急遽子どもの面倒を看てほしいという事態が発生した場合、それが継続的に続くときは、やはりワーカーズを紹介するという形になっていきます。先ほどおっしゃったように、地域のワーカーズのなかで継続してやってほしいと。ただ、突発であったり隙間で起こるものについては組合員、さらに広げて地域のなかでのお互いの助け合いということで地域通貨を活用してほしい、ということでやっているつもりです。
そのうえでなおかつ、地域にいろいろな福祉グループをつくっていきたい、食事会やミニデイ、さっき言った子育て支援関連のグループを豊かにつくっていきたいということで生活クラブでは進めているので、介護保険事業だけでは、どんなに整備をしても隙間は出てくるのではないか。介護保険事業の点数とか、そういったものが完璧であるとか、そういうことではなくて、どんなときでもやはり隙間を埋めていく運動・活動は必要になってくるのではないかと認識しています。
○相馬 実際の話、独居で痴呆の方だとやはり足りていません。デイサービスに来て、そのほかにヘルパーが入っても、「寂しいの」という電話が入ってきます。絶対足りていません。
ただ、そういう方に対しては、きちんと公的な福祉のほうでカバーすべきだと思いますが、全部が全部、公的福祉のところでまかなおうとすると、今現在でも年間1人当たり7万円の負担をしているわけですよね。税金、それから介護保険のところの自己負担分というか支払いを含めて。それ以上はちょっと……。自分たちの20年後、30年後を考えてみてください。自分たちがどれだけ支払わなければならないか。すべてを公的福祉でまかなうということは無理があるわけです。
それで、先ほども出ていた、私たちはセーフティネットと言っていますが、自分たちでそれを構築していかないと自分たちの老後は危ないよねということで今活動しているわけです。やはり「たすけあい」という意味を考えていただきたいんです。正直言ってワーカーズは増えていませんが、「たすけあい」というのは、確かに自分がその方に対してしてさしあげているんですが、自分のことを考えたら自己実現しているんですよね。そこの意味を地域の人たちに広めていく、それが「たすけあい」だと思います。
やはり人にしてあげることが自分に返ってくるというところが、「たすけあい」の醍醐味であり本来の意義だと思うんです。私たちはそれを、ワーカーズという形だけはなく、今『ボランティア』というマニュアルをつくっているのですが、ボランティア、要するに無償のところ、あるいは経費だけのところになるかもしれませんが、要するに地域に私たちのような「たすけあい」のグループ、あるいはボランティア、もしかしたら私たちワーカーズみたいにお金を介在させなくても、ボランティアのところだけで済むような、見守りですとか、ちょっとしたゴミ出しですとか、そういうボランティアのなかだけで済むようなこともあると思うんです。
そういういろいろな重複したシステムを自分たちでつくっていかないと、全部が全部介護保険、あるいは公的福祉のなかでまかなおうとすると、いずれ無理が来るのではないかというか、自分たちの負担が大きくなるのではないかと考えます。
○石毛 永桶さん、あえて介護保険への注文を言っていただけますか。支給限度額に関連して。
○永桶 支給限度額に関しては、その人が必要なサービスというのは介護度別だけでは言えないと思うんです。限度額を下回る人もいればオーバーする人もいると思います。
例えば、私はケアマネージャーもしていますが、介護度5の方で、最低限の1日4回のおむつ交換と、訪問入浴、訪問看護というのを入れて、出てしまう。そういうときに、必要であるというところで言えば、介護保険でまかなうべきだと思います。「たすけあい」とかほかの部分で隙間を埋めるという、そこは役割を明確に分けたほうがいいのではないかと思っています。
そこは人によってずいぶんバラツキがあって、やはり介護保険でまかなうべきサービスは、何らかの形で上乗せしてでも介護保険で行うべきだし、生活のうるおいとか、ゴミ捨てといったちょっとしたことは違うところが役割として担うことが必要だと思います。ですから、現に介護保険で受けているものが足りないという場合には、介護保険がその役割を担うべきだと思います。
○石毛 確かに、要介護度5と認定されたとして、ケアプランをつくっても、自己負担の関係がありますから、そこまでは必要ないという方もいらっしゃるでしょうし、それから、おっしゃられたように、一人暮らしで必要性がとてもある方だったら出てしまうかもしれない。そのへんはトータルで裁量の幅があってもいいのではないかという、そういう捉え方もあると思いますね。でも、それをやっていくと大変だということもありますし……。
北波さんのほうから何かおっしゃりたいことはありますか。要するに、裁量がもう少しあってもいいのではないかということで。
○北波 介護保険というのはべつに裁量がある制度ではなくて、「一般的に必要とされる介護をみんなで支えましょう」ですから、特別なニーズにまで応えられるかといったら、そこは限界がある。だから、できるものもありますが、でもやはり社会保険ですから、そこらへんは限界があると思っています。
そのなかで、限度額がこのままでいいのかどうかというのは、また別途議論があろうと思います。今の給付体系でやっていったら、確かに要介護5で、痴呆で、独居の人というと、現実、限度額でやるのは難しいというところはありますが、そのときには、今の訪問介護の単価を適応するのではなく、サービスの単価の設定方法を変えるとか、いろんなやり方があろうと思います。
お聞きしたばかりなので、この場で結論は出せませんが、実は今の限度額のモデル設定というのも、訪問型とか通所型でモデル設定をして限度額をつけるという、仮定のもとでやったものもありますので、やはり実態を見た結果どうなのかという、そこは議論の余地があろうかと思います。
ただ、今は利用率を見ても4割ちょっとくらいというところもあるし、限度額を超えて利用されているのは、たしか5%に満たないくらいなんですね。ですから、評価は分かれると思いますけれども……。ちょっとそれ以上はなかなか言えませんので、まあ議論をしていきましょう、ということになります。
○石毛 たぶんとてもきめ細かい分析が必要とされるというか、在宅の意思がすごく強い方で、基礎的・必需的な必要性から見て、どうしても限度額をもう少し上げたほうがいいという方には、ぜひそういう検討をしていただきたいと思いますし、基礎的・必需的と言ったのがポイントで、そうではなくて、少し随意的な部分があるとすれば、それは先ほど来、皆さんに発言していただいたなかで解決していく方向性をつくっていくべきだろうと思いますし、さらにまた、不安感のようなものが強くて一人での在宅が困難ということだったら、それは、このあいだ日経新聞の1面に出ていましたけれども、地域に少人数で住めるような、先ほどの北波さんのお話にも第三の「あいだをつなぐ」という表現があったかと思いますが、そうした住まい方と関連した新しい施策を考えていく。これも広い意味では介護保険への提言だと思います。
それから、お金だけの問題だったら、私自身は、今は金利が非常に低いので問題ですけれども、例の竹下さんのときに各自治体に1億か何かのお金をばらまきましたが、あれが全部自治体でインマイポケットされているので、それを外枠に出して市民版福祉基金というような形にして、そこにドネーションができるようにしていけたらいいのにな、と思っています。そのお金が回っていきながら、皆さんの活動のオプションでしていく部分がいろいろな意味でクロスしていくと、もうちょっと地域で暮らす可能性が広がっていくのではないかと。だから、チャンネルはいくつもあって、それをどう整理して考えていくか、ということが必要なのかなと思います。
あと、パネラーの方、独立型居宅介護支援事業については少し議論したいですか。省略してよろしいですか。相馬さん、永桶さんはいかがでしょう。
独立居宅介護支援事業というのは、圧倒的にいろいろなサービスを提供しているところと一緒になっていて、ある意味でその両方が動いて何とか経営的に成り立たせている。しかしそれは、本体とは言いませんがあえてそういう表現を使えば、その本体の事業意思に左右されてしまう。ケアプログラムのなかでそこのサービスの比重がどうしても強くなりがちだという、だから利用者主体というよりは、独立居宅介護支援事業がどこに所属しているかによってケアプログラムが左右されがちだという面もあると思います。
まあ、それよりも何よりも、1種類しかプランをつくっていないところが圧倒的に多かったわけで、だからそれ以前の段階かもしれませんが、そういうなかで、ケアマネジメント、ケアプランのその方に対する自己決定の尊重とか自立性という意味で言えば、独立型で成り立つようにケアマネージャーの介護報酬を設定すべきだという意見は制度がスタートした当初からあるんですね。それと、どのくらいの件数を担えるかということとか。
清田さんは何かありますか。独立型でいきたいという強い希望だけでいいですか。
○清田 それが可能になれば、と。
○石毛 ではそういうことで、これはスルーさせてください。
もう一つ、どうしても議論していただきたいのは、「たすけあい」と介護保険に関連する事業を展開されているというときに、事業経営をきちんと成り立たせていく側面と、それから運動的な意味合い、そのなかで実際の担い手の方たちのいろいろな意味での保障をどんなふうに考えるかということがあると思います。これは、どのワーカーズの皆さんも、どのような形で活動しているかは別にして苦労されている点だと思いますので、そのことに絞ってもう少しご発言をいただいたほうがいいかと思います。最後はこのことを中心にしたいと思います。埼玉の方もここで、ご発言があればお願いします。
○清田 私たちはそれまでの生活クラブの運動から入ったので、介護保険の支援事業に入ったときにも、運動的な理念のもとで、道具として支援事業を立ち上げました。
しかし2年たち、人も新しく入ってきます。最初に立ち上げた人たちもいますが、あとから入ってきた人たちにそのことを伝えるのはとても大変です。特に業界ではケアマネージャーというのは30万とか40万というなかで−−そういう募集要項がありますよね−−「えっ」という……。
それはそれで、最初からやっているからいいんですが、そこらへんは前からわかっていたんですが、コミュニティ・オプティマムの最初からそうしておけばよかったなという思いが非常にあります。ある程度進んでくると、収入を元に戻すというのは非常に厳しくて……。支援事業所も、今までは平均7,200 円位だったので、1人が1件担うことで半額の3,600 円を払っていました。今度は9,000 円くらいになるので、4,500 円に上げてしまったんです。ただ、上げるときにもう少し論議をすればよかったなというのが私にはあります。
でも、全体のなかでは、身分的なこととか仕事量を考えると、9時−5時の仕事ではありませんし、非常に大変であちこちで奔走していることを考えると、事務所もないとか、あれやこれやで、やっぱり少し身分保障をしようかなと。運動として捉えればお金のことは後回しにしたいのですが、やっぱり日々動いていると、それを伝えるのはちょっと厳しいなという思いがあります。
それでもお金というか事業的な視点はあるんですが、それを広げていくときに、理念のところを伝える討議の深さが必要だったなと。仕事で忙殺されて、とりあえず仕事をこなしている状況で、そこらへんは反省を込めて、今年の報酬改定のときにもう少し深く掘り下げればよかったなと、事業と運動のところでは、本当に悩みながらやっています。
○石毛 ちょっと私から質問をつけ加えたいのですが、資料の20ページをごらんいただきますと、生活クラブグループの福祉事業実績が2003年4月11日ということで出ています。ワーカーズでやっているとか、社会福祉法人格でやっているとか、形はいろいろあると思いますが、先ほども触れられましたが、事業高が65億、利用登録者の人数が月平均で1万8,931 人と。
皆さんも65億という金額に改めて自分たちがやっていることの大きさを実感されたのではないかと思いますが、そこに従事しているメンバーの皆さんの人数が1万6,816 人で、2万人には達していませんが、それこそ2万人に近づいているわけですね。常勤者数は498 人と少ないですが、これはローテーションの考え方とかいろいろあって、個人的にはこれでも少ないという思いはありますが、そこは考え方を精査していっていただければいいんだと思います。
ただ、私がつけ加えていただきたいと思ったのは、このメンバーの定着率はどうなのかなというところです。定着していないとすれば何が課題なのかというところで、ちょっとご発言をいただけたらと思います。
○参加者(埼玉) 参加者がたくさんいらっしゃるなかで、2回も発言するのは気がひけますが、私は8年間デイサービスにかかわりながら、在宅のほうにもかかわってきました。
先ほど先生がおっしゃった定着ということですが、私たちみたいに年齢がいって、子どもの教育とかいうことがなくなった者にとっては、ゆとりのなかである程度社会への還元ができるということで仕事をさせていただいていますが、これからを担っていただく30代、40代の方たちにとっては、いろいろな家庭の事情もあって……。
もともとワーカーズというのは、仕事の場をつくろうということですので、生活のことも含めて、仕事としてできるのが本当のワーカーズだと思うんです。福祉に関してはそれがなかなかできない。ほかにも仕事場がたくさんできたということもあって、デイでも、少し力がつくとほかの施設に行きたい、と。1日だけかかわって、あとの4日間はほかの施設に仕事として入っているという方もいらっしゃいます。
その原因というのは、介護保険が始まる前は本当に時給200 円とか300 円という期間が長かったものですから、私どもは介護保険が始まってからはすごくいいと思っているんです、時給800 円というなかで仕事をしていることが。
ただ、ワーカーズということで、800 円のなかから100 円を事務所経費、運営費に取っておりますので、実質700 円、在宅も700 円なんです。また、デイサービスでは、利用者が高齢ということもあって、当日キャンセル、前日キャンセルがあります。特に所沢の「わ〜くわっく」に関しては利用者数が少ないこともありまして、スタッフの人数が予定よりかなり減ります。それも当日になって、3人必要だったけれど2人でいいとか。
そうなると仕事として予定が立たないんです。それで若い方がどうしても仕事をほかの場所に移してしまうということがあります。理念がはっきりしている分、定着していただいている方はかなり長くいらっしゃるのですが、これからにつないでいきたい世代の方たちがほかの事業に移ってしまうという悩みがあります。ほかの方たちはどういうふうにしていらっしゃるのか、お聞きしたいと思いました。
○石毛 それでは、貴重な時間が残り少なくなりましたので、今ご発言いただいたことと同じではないこと、それにプラスするか、横出し、上乗せ、何でもいいですが、永桶さん、お願いします。
○永桶 千葉の場合、たすけあいネットワーク事業にかかわっている人は、みんな職員という形です。常勤、非常勤で、登録型の方も非常勤という形になっています。
今、かかわっているワーカーの人たちで、人事政策とか人材育成ということでプロジェクトを組んで話し合っています。限られたパイですので、どういうふうに分けていくかとか、どういうところにどういうお金が必要かということを話し合っています。
できるだけシャドーワークとかアンペイドというところはなくしていきたいという意向でやっています。なかなか全面的になくすことはできない現状がありますが、その線引きをいろいろ、こっちを出すとこっちが引っ込むという関係がありながら、現時点で納得できる線というのを、みんなで試行錯誤して考えているところです。
ですから、そのプロジェクトに期待するところがすごく大きくて、それをこれからもう少し細かくやっていこうと思っています。人材育成ということで言えば、全部が報酬に行くのではなく、人材を育成するためのプログラム、どういうふうにやっていくかも含めて、この二つは結構大きなことだということで話し合っているところです。
○石毛 そうしたなかでは定着率はどうですか。
○永桶 毎月、ワーカーの出入りを経営会議というところで報告しているんですけれども、そんなに多く辞めているということはないと思います。家庭の事情で転勤するとか、体が悪くなってという方はいらっしゃると思いますが、増えるほうもそんなに大幅には増えていませんが、若干増え若干減りという形で、全体としてはワーカーの数は少しずつは増えているのかなと。ただ、大きく増えるということは今なかなか望めないかなというところです。
○石毛 では、相馬さんお願いします。
○相馬 介護保険というか公的福祉に私たちが参加するにあたって、レジュメのところにも書きましたが、2年近く議論をしました。私たちのような「たすけあい」のグループが公的福祉に乗るということは、私たちの理念そのものを根底から崩しかねない危険性があったわけです。
お金というのは必要ですが、すごく怖いもので、今までに手にしたことのない事業高を手にすると、まず収支構造のところが違ってきますし、あるいはNPOで法人格を取ったりすると、勘違いをしてしまうんですね。何となく自分たちが一人前になったみたいに。最初から自分たちは一人前のはずなのに、事業所になったということで勘違いをしてしまう。そのへんはやはり、私たちはなぜ介護保険に乗ったのかということを、もう一度フィードバックしながら自分たちで理念の確認をしていかないと、非常に危険なものがあるなと感じています。
ですからワーコレ単体での定着率というのはわりとあると思いますが、1件か2件、やはりNPOを取った段階で抜けた団体があります。自分たちは地域でいいことをしているから、自分たちは一人前になったからバイバイという形で抜けられてしまったわけです。 最初から私たちが言っている、連合して自分たちのような働き方を広めていこうね、セーフティネットを自分たちでつくっていこうね、というところから離脱してしまった感があって非常に残念なのですが、それを防ぐためにも「共育講座」といいまして、なぜ地域で「たすけあい」が必要なのか、自分たちは今までつくってきたのか、という理念を確認することの大切さ、それと自分たちの収入のところ、収支構造のところをはっきりさせようということで、分配金、経費、それとコミ・オプ対策費の価格構成のところを明らかにして、自分たちは何を目指してやってきたのか、いくら介護保険、公的福祉に入っていってもそこのところは変わらないよね、ということを確認しながら進めています。
一つ、残念ながら介護保険に乗らなかった「たすけあい」のところがあるんです。わりと新しいところなんですが、そこはコミ・オプのところも広がっていかない。要するに介護保険をやっていることによって地域に知られるようになり、そうすると介護保険のところも増えて、「たすけあい」のところも増えるという構図になっているんです。介護保険をやっていなくて、「たすけあい」だけのところは、事業性としては低くて、それはそれでこれからの課題として話し合っていこうというふうにしています。
○石毛 すみません。少し立ち入りますが、先ほどの子どもミニデイですが、そこでの分配金はとても小額で、むしろボランティアと言ってもいいくらい、ボランティア経費がまかなえるくらいという感じですか、個人の立場から見れば。そのへんは、どのように議論されているんですか。
○相馬 正直言って子育て支援のところは今、竹の子状態でボンボン広がってきています。というのは、家事介護のところに子育て支援のところの依頼が非常に多いんです。そのへんの問題もあって子育てのところが必要だねということで始まったのですが、分配金のところはかなり厳しいんですね。それで定着率はあるんですが広がっていかないんです。そのへんも含めてローカルユニットのほうを介しながら、あるいは行政のところに対して認可・無認可の不公正感をワーコレ連合として訴えつつ、その必要性について声を大にしていくことが私たちの仕事かなというふうに捉えています。
200 円、300 円でというのはやはりかなり厳しいですし、一方で、ワーコレのなかでも、認可のところは数千万の事業高を上げているところもありますから、その矛盾を自分たちのなかで抱えているわけです。だから問題・課題は山積みで、今は、すみません、ちょっと整理できていません。
○石毛 たしか厚木が認可を取れたんですよね。
神奈川のある地域の特徴かと思いますが、若い家族がすごく多くて、保育園に入れないとかいうことが出ていて、個別の家庭を訪問して沐浴のお手伝いをするということだけでなく、子どもデイサービス−−保育園とは言えないわけですから−−子どもデイサービスのニーズがすごくあるんですね。それで担い手さんもそういう層の方が会員でいらっしゃるということだと思います。10年前に高齢者家事介護を中心にしていたときのワーカーズの姿が今、子どものところにあるというか、すごく似ている状況と言えるのかなと思いました。
やはりワーカーズコレクティブでやっていることと同じような仕事がマーケットでやられているという、この競合関係のなかで自分たちの活動と事業をどうきちんと整理していくかということが、「言うは易く行うは難し」なんでしょうけれども、そこのところがすごく重要だと思いますね。もしかしたらワーカーズのなかでも燃え尽き症候群になっている人がいるのかいないのか……(笑)。
末吉さんは、埼玉で時間を平等に分配ということで、ご発言はいいですか。では、清田さん、どうでしょうか。
○清田 本当にこのことはたぶんどこの生活クラブの地域にとっても、これからの課題だと思っています。それぞれのところで自分たちの理念をどう体現していくかということとか、それを伝えていくことは大切ですが、それこそ燃え尽き症候群、「こんなにやっているのに」というのがどうしても出てきますので、そこらへんを共有しないことには、「そうだよね」という共感がないと「アホみたい」ということになってしまいますので(笑)、やはり「私たちはこれで始めたんだよね」というのを確かめ合う場として、ぜひこういう機会を使って共有しながら、交流しながら、それぞれのところに持ち帰っていきたいと思います。
よさがあるんですよね。私たちはNPOでやっていますが、NPO以外のところに対する世間の目はすごく厳しいし、すごく要求をします。ワーカーズコレクティブやNPOに対しては市民の目はあたたかいけれど、有限や、それこそ株式会社に対しては非常に厳しいものがあります。
そこに、本当にやっていけるのかということと、価格が高くなれば……。営利になると高くなるのかもしれませんが、私たちは本当にそれを求めているのか、私たちはなぜこれを始めたのかというところに戻って、解決の道をつけるために話し合っていくことが必要だと思います。それをこういう場で共有して、ぜひまたいい方法をあみだしていきたいと思います。
○石毛 こういう労働に対して「労働の価格破壊だ」という声もありますけれども、そのことに対してはどうでしょう。私もずっと一緒にやらせていただいてきた一人ですから、人ごとのように聞くのはいかがのものかと思いつつですけれども、率直に言ってどのように答えたらいいでしょうか。
また振って恐縮ですけれども、永桶さんは、担い手をきちんとつくっていくということでワーカーに1,000 円を確保しようということでしたが、それは介護保険でも、たすけあい事業のほうでも同じですか。
○永桶 ワーカーには保険、保険外、同じ料金で支払われています。
○相馬 今はいくらですか。
○永桶 今は、1,100 円です。
○石毛 1,100 円ということは、地場の賃金という表現の仕方がありますが、地場の賃金と比べてどんな感じですか。
○永桶 うちでは報酬単価を結構細かくやっているんですね、生活クラブでは。例えば20時間以上だったらこうとか。だからトータルに言わないと、ほかのところとの比較は簡単にできないと思いますが、よく広告で見る時給から言えば決して高いほうではないかもしれません。ただ、待遇面がどうなのか詳しくわからないので、相対的に評価するのはちょっと難しい状況かなと思います。
○石毛 でも、たぶんワーカーさんからすれば、評価されているからこそ定着しておられるんだと思いますので、また別の機会にでもそのへんの情報公開、意見交換をされたらいいのではないかなと思います。
○永桶 そのなかで共済会も自分たちで出し合ってつくっていたりするんですね。だから生活クラブ千葉のこういうルールに賛同してくれて定着率がいいのかなという気はしますけれども。もし金額だけで見れば、ほかに流れることもきっとあるのかなとは思います。
○石毛 相馬さんは、ご発言はございますか。
○相馬 すごく難しい問題なので何とも言えないんですが、確かに価格破壊だという声は聞こえてきますね。今一番問題なのは、たぶん移動のところのタクシー業界との摩擦だと思います。
ただ、いろいろなサービスがあっていいと思うんですね。価格を一定にさせる必要性がどこまであるのかちょっと問題かなと。いろんなかかわり方があって、そのなかである程度きちんと自分たちが生活できるようなペイドワークのところ、それから私たちのような「たすけあい」のところ、それからボランティアと、いろいろなかかわり合いがあって、それを認め合うことも一つじゃないか、一律にしなくてもいいんじゃないか、とは思います。
○石毛 結論として申し上げるつもりはないのですけれども、一つは、やはりそれぞれのワーカーズの事業体としての収入構成がどうなっているのかということで、その収入になる単価のところで、例えば介護保険の移送サービスと、そうではない移送サービスの単価がどうなのかという、そういう「サービスの対価」としての価格をどう設定するかという側面と、「労働の対価」をどう考えるかという側面と、やはり価格という場合は両方考えていく必要があるだろうと思います。
ただ、サービスの対価はもちろんですが、労働の対価もやはり第三者に説明できなければならないと思うんですね。全国平均で見ると、介護保険で生協系が担っている事業高はそんなに絶対的な大きさではないわけで、ウエイトとすればむしろ小さいと言ったほうがいいと思うのですが、でも、先ほどからのご発言では、少なくともきょうご発言されたワーカーズの皆さんは、地域のなかで一番信頼を得ているようですので(笑)、それで事業高もあるんだと思います。
それは地域性があって、活動のフィールドがあってということで、そうした意味で信頼を得ているんだと思いますけれども、そういうなかでどういう働き方をするかということも、やはり地域のなかで納得してもらう、信頼してもらう、そして第三者に説明がつくような見いだし所を、ぜひ皆さんで努力をして考えていただきたいと思います。
それから住宅ローンも返し終わり、子どもの教育も終わって、あとは自分の活動のコストが入ればいいわという層と、それからこの「たすけあい」の活動が時代をつないで継承されていくためにはどうなのかとか、きょうは多面的に考えなければならない要素をたくさん出していただいたと思います。あえてこれ以上は言いません。
それから、金額の高さが満足感をもたらすのか、活動に対するお互いの合意形成と納得性が満足感をもたらすのか、その比率の部分もあるでしょう。でも、相馬さんもおっしゃいましたけれども、いくらなんでも200 円、300 円というのは、たぶん納得性を超えているところもあるでしょうから、その三つか、四つか、五つくらいの解をどういうふうに解いていって、自分のところの決定にしていくのか。それはもうみんなわかっていることだと思いますけれども、そろそろそういう議論を率直に探し合って、そして地域での「たすけあい」の活動がもっと広がっていくよう、これからみんなで力を合わせていくということなのかなと思って伺っていました。
十分にコーディネートすることをできなかった思いもありますけれども、自画自賛で、パネリストの皆さまのおかげで、参加者の皆さまのおかげで、大変関心を引く議論ができたかなと思っております。
4時35分ですので、これで締めてよろしいでしょうか(拍手)。では、パネリストの皆さま、ご苦労さまでした。これからぜひぜひ、この次の会を出していただけますようお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
○司会 石毛さん、ありがとうございました。パネラーの皆さんも、どうもありがとうございました。4時35分という非常に遅い時間になっておりますが、生活クラブの活動というのは自分で考え、自分で決めるという活動からスタートして、それぞれの地域で活動を広げてきたと思います。
このタイトルにあるとおり、生活クラブ運動を事業として地域で展開しながら、どういうコミュニティケアをつくってきたかというところで、そこを構成するメンバーとか地域の状況によって、それぞれ違う機能をつくりだしてきた経過がありますので、その機能の違いが多少あって、全体で共有することの難しい部分もあったかなというふうに感じておりますけれども、いくつかの方向性が、きょう少し整理できたのではないかと考えております。
北波さんには長い時間、本当にありがとうございました(拍手)。
それでは最後に、生活クラブ連合会を代表しまして、加藤のほうからご挨拶をさせていただきます。
◆連合会挨拶
○加藤 ご紹介いただきました、生活クラブ連合会の加藤です。
長時間、本当にご苦労さまでした。北波さん、簡潔明瞭な報告と併せて、最後までおつきあいいただきまして本当にありがとうございました。それから石毛さんはじめ各パネラーの皆さん、本当にご苦労さまでした。
きょうは投票日の関係もあって、最後のほうはお帰りになられた方もいらしたようですが、椅子が足りなくなるほどの大盛況だったということで、冒頭の井上実行委員長の話にもありましたけれど、初期の目標を超える効果が上がったのではないかと思います。
私がこんなところで金額のことのみ申し上げるのは非常に恐縮ですけれども、井上さんも言われ、先ほど石毛さんも指摘をされた、その65億円という数字はえらく大きくて、私の記憶では、1回目の交流会の報告では、同じ意味合いの数字がたしか40億だったように記憶しています。ということで言いますと、この間で60%増ということですから、これだけ盛り上がりがある交流会ができるのももっともかなと思った次第です。
生活クラブとしては今年以降、連合会レベルでは次の5カ年計画を検討する流れになっております。実は現行3次の5カ年計画では、共済事業、あるいはこういう福祉事業等についてもの申すところが1行もないんですね。それは3次の5カ年をスタートさせる時点では、まだ共済・保障の事業も、このへんの事業も連合事業になっていなかったとか、いろいろな絡みがありますけれども、いずれにしても今後はそういうわけには当然のことながらいかないということで、きょう皆さんにご議論いただいたようなところも含めて視野に収めながら、十分に検討していかなければいけないと思っております。
ただ、そうは言っても、活動の現場が地域であり、私どもは連合会という場所ですから、自ずと限界があるのは大前提になってしまいますけれども、これだけの広がりを持った活動が各地域で展開されているとするならば、やはりきょうのような交流会で、経験交流もそうですけれども、若干歯がゆいですが、全体としていろいろな政策提言等を含め、内外に向けて問題提起ができるような活動も強めていって、皆さんの日ごろの活動を若干でもサポートできるような私どものありようについても、これから研究していきたいと思いますので、そういうところでもいろいろな問題提起もしていただくことをお願いしまして、連合会を代表してのご挨拶に代えさせていただきたいと思います。
どうも、きょうはご苦労さまでした(拍手)。
○司会 どうもお疲れさまでした。最後にもう一度、石毛さん、パネラーの4人の方、そして北波さん、本当にありがとうございました(拍手)。
−了−