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2005年12月5日 毎日新聞

変える…街の元気印たち   
NPO「せつけんの街」理事長
比戸寿代
(ひどひさよ)さん

生活環境見直すきっかけに

<千葉県柏市に拠点を置き、同県内を中心に活動するNPO「せっけんの街」。前身の「手賀沼せっけん共有者の会」の結成(84年)以来20年以上活動を続けている。比戸寿代さんは所属していた生活クラブ生協のメンバーの誘いで92年に加入、01年5月から理事長を務めている>

活動のきっかけは柏、我孫子市など周辺4市にまた がる手賀沼(約6・5平方キロ)の水質汚染が70年代半 ばから二十数年間、環境庁(現・環境省)の調査で全国ワースト1となったことでした。
  80年には、水質汚染の要因と見られる合成洗剤を使わず、環境への影響が少ないせっけん利用を勧める直接請求運動を柏、我孫子市など4市町で取り組み、法定署名数の7倍超の約4万5000人分を集めました。我孫子、流山市など3市町では、せっけん利用を促す条例が制定されました。短期的な運動をさらに日常的な活動として続け、環境改善にも直接取り組もうと、廃食油を使ったリサイクルせっけん製造へと発展しました。

 

<生活クラブ生協や市民の出資金約3000万円を元手に柏にせっけん工場を建設。85年3月 に稼動を始めた。95年1月には同県酒々井町に第2工場が完成。各家庭から回収した廃食油の不純物を除去し、カセイソー ダを加えて煮詰め、せっけんにする。粉せっけんは2キロ820円、固形せっけんは1個300円(いずれも税込み)。04年度は廃食油計約4万8000リットルを回収、せっけんの売上高は2170万 円に上った>

リサイクルせっけんは水溶けがよく、香料も使っていないので、それ一つで、洗濯、掃除、食器洗いなどいろいろ使えます。「洗濯物が真っ白くならない」「せっけん独特のにおいがする」という人がいますが、通常の洗剤に入っている蛍光漂白剤や香料が使われていないためです。そうした声が出るのは、いかに私たちが化学物質に慣らされた生活をしているかという裏返しでもあります。
  せっけんを溶かした水槽の魚は死なないのに、合成洗剤入りの水槽の魚はすぐ死んでしまう。汚染された魚が私たちの口に入るかもしれない。結局、私は環境汚染の加害者であると同時に被害者でもあることに気付いたんです。こうした実態を話し、共感してくれる人を増やしたいと思います。

<小中学校や公民館で、子供たちを対象にせっけん作りなどの環境学習にも取り組む。参加した子供たちからは、廃食油から作ったせっけんで汚れが落ちることに率直な驚きの感想も寄せられいる>

流した水はいずれ飲み水となって自分たちに返ってくる。皆さんにはできることから姶めてみませんかと呼びかけています。せっけんを通じて生活を見直すきっかけ作りができればと考えています。
   【聞き手・堀文彦】