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2006年2月7日 朝日新聞 「私の視点」
生活クラブ連合会も参加している容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワークの論説が、掲載されました。

「私の視点」 容リ法改正  企業の逃げ得を許すな

容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク事務次長 中村秀次

容器包装リサイクル法(容リ法)の見直しを検討する環境省と経産省の二つの審議会が1月23日、合同審議で最終報告案をまとめた。市民、自治体、事業者は1年半にわたり、拡大生産者責任の是非を巡って激しい議論を交わしてきたが、結果的に事業者の一人勝ちとなってしまったとの印象がぬぐえない。
  拡大生産者責任は、事業者が商品の生産・販売段階だけではなく、回収やリサイクルまで責任を持つことで、ごみの発生抑制が進むとの考え方だ。審議会では、収集・リサイクル費用の増大に悩む自治体と、製造・販売段階からのごみ減量を目指す市民側が、この考え方を徹底し、収集費用などを販売価格に上乗せするよう求めてきた。
  これに対し、事業者側は「ごみ収集を有料化した方が効果的だ」と反論。昨年10月には日本経団連が「発生抑制などを進めるため自主行動計画を作る」として、収集費用を負担することに反対を表明した。
  こうした対立の中、審議会の議論は「だれが収集費用を負担するのか」という押し付け合いに終始してしまった感がある。本来、論ずべきは、どのような理念に基づいてごみの発生抑制を実現するのか、という点であったはずで、表層的なやり取りとなったことは残念でならない。
  その結果、まとまった最終報告案では、家庭ごみやレジ袋の有料化を明確に打ち出し、消費者に負担を強いる一方、事業者には「容器包装ごみの発生を抑制するため、自主的な取り組みを促進する」との努力規定を課すにとどまった。川上の大量生産を許しながら、川下部分の消費者を絞ろうという無理のある内容だ。
  レジ袋の有料化で、消費者は750億円の負担増となり、市町村も今後、プラスチックのリサイクルが増えることで150億円の費用増が見込まれる。対して、事業者はレジ袋の仕入れ代金の減少などで、負担が700億円減るとみられ、まさに一人勝ちだ。これで、本当に消費者の理解が得られるのだろうか。
  拡大生産者責任も、レジ袋有料化も消費者負担を伴うが、発生抑制に大きな効果があるので、私たちは要望してきた。内閣府の世論調査でも、レジ袋の有料化に賛成する人は過半数を超えている。いま多くの消費者が、自らの負担を覚悟しながらも、ごみ減量を願っているし、地球のすこやかな未来を願っている。事業者も、消費者の覚悟に見合った責任を担ってほしいと願っているのだ。
  事業者があくまでも拡大生産者責任の徹底を避けたいとするならば、経団連のいう「自主行動計画」を、一定の数値目標を伴う法的な義務としてはどうだろう。その上で、5年後に国の施策として効果を検証し、「成果が薄ければ、拡大生産者責任の徹底を図る」との付則をつけるべきではないだろうか。連帯責任が望ましいとは思わないが、「自分だけは」という逃げ得を許さないためには、業界全体が迷惑を被るような強い措置が必要だ。
  容リ法の改正案は、3月に国会提出される見込みだ。審議の場では、だれが費用負担するのかといった表層的な対立に引きずられることなく、原則に立ち返り、改めて消費者や国民の声を真剣に聞いていただきたい。その上で、多くの市民が「これなら本当にごみを減らせる」と確信できる内容としていただくことを、私たちは切に願っている。